Project/Area Number |
23K05987
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 46020:Anatomy and histopathology of nervous system-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
坂元 一真 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (60612801)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 糖鎖 / 軸索ガイダンス / コンドロイチン硫酸 / ヘパラン硫酸 / PTPRσ / ALK / 神経回路 |
Outline of Research at the Start |
本課題では「視床下部-下垂体系における糖鎖リガンドによる回路形成の実証」を目的とする。この達成のために、視床下部-下垂体系の正確な描出を行い、糖鎖・受容体・基質の発現解析をRNA scopeおよびscRNAseqを用いて解析する。さらに基質のリン酸化状態をリン酸化特異抗体で解析する。さらにALK/PTPRσダブルノックアウトマウスを作製し、神経解剖学的・血清学的な表現型を野生型およびシングルノックアウトマウスと比較検討する。また、室傍核-下垂体後葉系において、糖鎖リガンドの改変により回路改変・ガイダンスエラーが惹起できることをオリゴ糖ライブラリーをマウスに投与することにより証明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、視床下部ー下垂体系の神経内分泌経路における神経活動・軸索投射のメカニズムをALKおよしPTPRσという2つの細胞膜糖鎖受容体と、へパラン硫酸・コンドロイチン硫酸という糖鎖ガイダンス分子から明らかにしようとするものである。 本年度は特にALKの下流分子を明らかにする目的で、初代培養神経細胞において近位依存性標識法を実施し、LC-MS/MSによってALKの相互作用分子としてPI5P4Kaを同定した。PI5P4Kaは膜リン脂質PI5PからPIP2を生合成する酵素であるが、ALKはPI5P4Kaを直接チロシンリン酸化し、この活性を上昇させることを明らかにした。さらに、PI5P4Ka上のリン酸化候補チロシン残基をアラニンに変換したアミノ酸置換体を用意し、PI5P4Ka上のリン酸化チロシン残基を同定した。以上の結果から、ALKはPI5P4Kaを直接リン酸化し、PIP2の生合成を制御していることを明らかにした。 一方ALKノックアウトマウスを再解析したところ、青斑核にALKの発現が強いこと、またノックアウトマウスにおいては本領域における交感神経活性が強いことを明らかにした。またこれと一致して、初代培養細胞においてALKを阻害することにより、グルタミン酸刺激によるカルシウム流入が増強された。PIP2は電位依存性カリウムチャネルを活性化し、神経細胞の過興奮を抑制することから、ALKがPIP2の生成を介して神経活動を負に制御していることが推測された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ALKの新規基質としてPI5P4Kaを同定し、脂質合成の制御と神経活動の制御という新規の現象を明らかにすることができたものの、計画していた視床下部ー下垂体系における解析に遅れが生じているため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度明らかにしたALK-PI5P4Ka-PIP2という経路が青斑核において神経活動を制御しているかどうかをin vivoで確認する。また視床下部ー下垂体系でも同様のことが起こっている可能性があり、これを検討する。
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