Project/Area Number |
23K06024
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47010:Pharmaceutical chemistry and drug development sciences-related
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
豊岡 尚樹 富山大学, 学術研究部工学系, 教授 (10217565)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 智史 岐阜薬科大学, 薬学部, 准教授 (60433207)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | オートファジー阻害剤 / Atg4B阻害剤 / in silicoスクリーニング / 構造―活性相関 / オートファジー / システインプロテアーゼ / LC3-GST cleavage assay |
Outline of Research at the Start |
がん治療戦略上オートファジーの阻害は新たな標的と考えられている。必要とされるオートファジー阻害剤は,オートファジー特異的であることが理想的であるが,現在用いられているオートファジー阻害剤はwortmannin等のPI3キナーゼ阻害剤とchloroquine等のリソソーム阻害剤のみであり,これらはオートファジー特異的ではない。 我々は,オートファジー特異的阻害剤として,オートファジーに特徴的なイベントであるオートファゴソーム形成に必要なシステインプロテアーゼAtg4B阻害剤を標的に据えてその創製を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
現在用いられているオートファジー阻害剤はPI3キナーゼとリソソームの阻害剤のみであり、これらはオートファジー特異的阻害剤ではない。本研究ではオートファジー特異的阻害剤の創製を目指し、以下研究を展開した。in silicoスクリーニングによって、オートファジー特異的なイベントであるオートファゴソーム膜形成に必須のAtg4B阻害剤候補化合物の探索を行った。in silicoスクリーニング法により選抜した17種類の化合物の内、化合物17が最も強力なAtg4B阻害活性を示した。また化合物17はアミノ酸枯渇培地を用いて誘導したオートファジーを有意に阻害したことから、新規オートファジー阻害剤であることを見出した。さらに化合物17はCRPC治療薬であるabirateroneおよびenzalutamideによって誘導されるオートファジーも阻害し、上記薬剤の抗がん活性を増強することも明らかとなった。次に化合物17の構造を基により強力なオートファジー特異的阻害剤を創製すべく、新規誘導体の合成に着手した。合成した誘導体の中で化合物21fが最も強力なAtg4B阻害活性を示し、その効果は化合物17よりも優れていた。また合成した誘導体間の活性を比較した結果、明確な構造―活性相関を明らかにすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
オートファジーはリソソームを介したタンパク質分解機構のひとつであり、不要な細胞質成分、細胞小器官、病原体の除去のみならず、免疫系や炎症の制御などに関与しており、生体の恒常性維持に貢献する。がんにおいてオートファジーは発がん抑制に関与する一方で、自身の過剰な細胞増殖や抗癌剤投与に由来するさまざまなストレスに対して防御的にはたらくことで、がん細胞の生存や薬剤耐性化に貢献する。したがって、オートファジーはがん治療における新たな標的として注目を集めている。そこで、オートファジー特異的なイベントであるオートファゴソーム膜形成に必須のAtg4B阻害剤候補化合物の探索を行った。その結果、Atg4B阻害活性は芳香環上のアルキル基の長さに大きく依存し、阻害活性の発現にはベンゾイルアクリル酸ユニットが重要であることを突き止めた。化合物21fに関しても、オートファジー阻害を介してCRPC治療薬の抗がん活性が増強された。以上の結果より、化合物21fはCRPCに対する新規がんアジュバント薬として極めて有効であると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度獲得したオートファジー特異的阻害剤である化合物21fを基盤としたよりドラッガブルなAtg4B阻害剤の創製に取り組んでいる。具体的に、阻害活性の発現にはベンゾイルアクリル酸ユニットが重要であることから、本構造を固定し、その他の置換基及び側鎖の変更を順次行い、Atg4B阻害活性を検討する。さらに、構造ー活性相関を踏まえ、Atg4B活性部位へのドッキングシミュレーションを行い、より効率的な構造単位を明確にし、新たな合成戦略へと繋げる。
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