Project/Area Number |
23K06064
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47010:Pharmaceutical chemistry and drug development sciences-related
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
村瀬 裕貴 崇城大学, 薬学部, 助教 (10814486)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | RNA部位特異的化学修飾 / 官能基転移 / 反応性オリゴ核酸 / 6-Thioguanine / アセチル化剤 / 合成後修飾 / 核酸化学 / N4-acetylcytidine (ac4C) / 転移修飾核酸 / 化学修飾 / RNA |
Outline of Research at the Start |
mRNAのシトシンN4アセチル修飾(ac4C) は、mRNA安定性の上昇、遺伝子発現の促進、免疫反応の抑制などへの寄与が明らかとされ、有用な化学修飾として注目されている。そこで、mRNA中の任意シトシンに自由にアセチル基を導入できれば、これらのRNA機能の人工的な制御が可能であると考えた。本研究では、標的シトシンの相補位置に反応性アセチル基を導入した人工核酸を用いるアプローチによって、近接効果を利用した標的特異的なアセチル修飾を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
mRNAは転写合成後に導入される様々な化学修飾により、多様な機能制御を受けている。これまでに、アデニンN6位のメチル修飾(m6A) やシュードウリジン(Ψ) など多くの化学修飾が同定されており、mRNAの翻訳レベル、高次構造の安定化、分解耐性、酵素感受性、細胞内輸送など多岐にわたる制御が解明されている。したがって、特定の化学修飾をRNAの任意の位置に選択的に導入する技術が創出されれば、これらのRNA機能を人為的に制御できる可能性がある。これらの化学修飾の中でも、近年ではシトシンのアセチル修飾が有用な化学修飾として期待されているが、既存の技術ではRNAの部位特異的なアセチル修飾は実現されていない。本研究では、標的塩基の相補位置に反応性アセチル基を導入したオリゴ核酸(Ac化核酸probe)を用いるアプローチによって、近接効果を利用した標的部位特異的なアセチル修飾を目指す。 Ac化核酸probeの合成は、配列中に6-チオグアニンを含むオリゴ核酸を原料とした合成後修飾によって実施した。反応性アセチル基の適切な構造を探索した結果、安定性と反応性をバランス良く兼ね備えた候補構造を見出だすことができた。この候補構造は安定性が高く、中性~塩基性条件下ではほとんど分解がみられないが、標的RNA鎖と二本鎖を形成するとRNAのアセチル化が効率よく進行することがわかった。また、反応条件の最適化により、現在までのところ最大で約80%の効率でアセチル修飾RNAを得ることに成功している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
まずはAc化核酸プローブの合成を実施した。6-チオグアニンを含むオリゴ核酸を塩基性条件下にて各種求電子剤と反応させ、適切な反応性アセチル構造を探索した。その結果、良好な安定性と反応性を併せ持つチオエステル構造を候補構造として見出だした。RNAとの反応に関する条件検討の結果、pH8.5~pH10の緩衝液中にて効率的に反応が進行することがわかった。修飾反応後のRNAをMS測定にて解析したところ、アセチル基が一つ付加したRNAの分子イオンピークのみが検出された。また、Ac化核酸プローブと二本鎖を形成しないRNA鎖の組み合わせでは、RNAのアセチル化は全く進行しないことがわかった。アセチル化の塩基選択性を調べたところ、グアノシン(G)及びアデノシン(A)では30~50%程度、シチジン(C)及びウリジン(U)では約80%程度であることがわかり、本アセチル化剤は全ての塩基に対して使用可能であることがわかった。また、プリン塩基(A、G)とピリミジン塩基(C、U)にて反応性がやや異なることから、反応条件によっては塩基選択性を与えることも可能であることが示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
MS/MS測定によるフラグメント解析などにより、アセチル基の修飾位置の同定を行う。また、同様の方法論にてアセチル修飾以外の化学修飾の導入が可能かを検証し、本手法の基質一般性を調べていく予定である。
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