Development of a multifaceted evaluation method for stress relief effects based on novel multi-biomarker analysis
Project/Area Number |
23K06091
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47020:Pharmaceutical analytical chemistry and physicochemistry-related
|
Research Institution | Shujitsu University |
Principal Investigator |
片岡 洋行 就実大学, 薬学部, 教授 (80127555)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
|
Keywords | バイオマーカー / ストレス緩和 / 固相マイクロ抽出法 / LC-MS/MS分析 / コルチゾール / 唾液 / 心拍変動 / 自律神経活動バランス / ストレス / リラクゼーション / 自律神経バランス / 液体クロマトグラフィー―タンデム質量分析法 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、うつ病や循環器系疾患など様々な疾病の引き金となるストレスに対する緩和効果を、マルチバイオマーカーによる生化学分析と自律神経バランスに基づく生理学分析から客観的かつ多面的に評価することを目的としている。本研究では、固相マイクロ抽出法とLC-MS/MS法とのオンライン連結により、内分泌・自律神経系のホルモンや神経伝達物質などのバイオマーカーを全自動高感度分析する方法を開発し、唾液、毛髪試料分析からストレスとリラクゼーションの同時解析法を確立する。また、音楽、色、香り、味、触れ合いなど五感に影響する様々なストレス緩和因子の効果を、生化学・生理学の両面から解析して、それらの有効性を検証する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は、コルチゾール(CRT)、セロトニン、メラトニン、ドーパミン、オキシトシンなどのストレス及びリラクゼーション関連のマルチバイオマーカーを同時解析するために、インチューブ固相マイクロ抽出(IT-SPME)/LC-MS/MSによる高感度かつ高精度なオンライン自動分析法を開発し、唾液試料を用いる非侵襲的ストレス評価に応用するとともに、心拍変動に基づく自律神経活動バランスなどの生理学的指標との関連についても多面的に解析し、興味深い成果が得られた。 1. IT-SPME条件の最適化により、いずれのバイオマーカーもPLOTタイプキャピラリーを用いて、試料40 μLを0.2 mL/minの速度で25回繰返し吸入/吐出する時、効率よく抽出濃縮できた。また、Kinetex Biphenylカラムで6分以内に分離でき、ESI-ポジティブモードMRM検出で安定同位体希釈法により0.01~10 ng/mLの範囲で良好な直線性と再現性を示し、唾液試料50 μLを限外ろ過するだけで分析できた。 2. 唾液バイオマーカーレベルと心拍変動の標準偏差(SDNN)値、心拍変動パワースペクトルの周波数分析による交感神経と副交感神経の活動バランス(LF/HF比)などを測定し、アロマや音楽などのストレス緩和及びリラクゼーション効果を解析した。18種の精油を含むアロママスク着用でCRT濃度が減少し、多くの精油でドーパミン濃度が上昇したことからストレス緩和・リラックス効果が認められ、フローラル系とシトラス系の精油では副交感神経優位、ハーブ系では副交感及び交感神経優位に作用することがわかった。また、10曲の音楽の聴取によりCRTレベルが低下、SDNN値が上昇、CRT濃度とSDNN比との間に負の相関が認められ、LF/HF値が低下して副交感神経優位になったことから、音楽によるストレス緩和・リラックス効果が認められた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に5種のストレス及びリラクゼーション関連のマルチバイオマーカーのインチューブ固相マイクロ抽出/LC-MS/MSによる高感度一斉分析法を確立し、アロマやハーブ、カラー眼鏡、音楽などによるストレス緩和・リラックス効果を解析した。また、同時に指尖脈波から心拍変動解析による自律神経バランス測定も併用して、バイオマーカー分析による生化学的評価がこれらの生理学的評価とよい相関性を示すことから、ストレス・リラクゼーション解析法として有効であることがわかった。本研究助成金で自律神経分析機器を導入でき、当初の計画は概ね順調に進んでいると言え、次年度計画していた内容の一部も進めることができた。その代わりに、初年度計画の一部ができていないため、現在ストレス応答ステロイドバイオマーカーを含め、一連のストレス・リラクゼーション関連マルチバイオマーカー分析と生理学的測定を併用して、実験的急性ストレス負荷やタバコ煙曝露による影響を解析しているところである。 現状における課題としては、円安で標準試薬の価格が高騰し、海外からの調達に時間がかかり、共同利用している老朽化したLC-MS/MS装置の保守点検と修理に高額な費用と時間を要することが挙げられる。LC-MS/MS装置は本研究に不可欠のものであり、20年以上使用している機器の更新が大きな課題である。高額な分析機器でもありメンテナンスサポート期間が2023年度で終了したため対応に苦慮しているが、故障しないように使用していかなければならず、代替法についても考えていきたい。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は、積み残しとなっているクレペリンテストによる実験的急性ストレス負荷やタバコ煙曝露によるストレス効果を、本研究で開発したストレス・リラクゼーション関連マルチバイオマーカー分析と生理学的測定を併用して多面的測定し、初年度の成果を踏まえて、これらのストレスに対してアロマやハーブ、カラー眼鏡、音楽などがストレス軽減効果を示すかを評価解析していく予定である。また、生理学的測定には、パルスアナライザーTAS9を用いた指尖脈波測定による心拍変動解析に基づく自律神経活動バランス解析、フラクタルバイオアナリシスシステムを用いた心拍変動、自律神経バランスと心拍数に対応する脳波パターンなどの総合的な解析、ブレインプロアナライザープラスを用いた詳細な脳波解析、ウェアラブル端末によるストレス度測定なども取り入れて、多角的にストレス・リラクゼーション状態を評価解析していく予定である。さらに、これらの客観的な評価と並行して、多くのボランティアに協力を依頼して、生活習慣、体調、ストレスの感じ方などに関するアンケート調査を実施し、バイオマーカー分析及び生理学的測定結果との相関性を解析し、どのような生活習慣や生活環境がストレスやリラクゼーションをもたらすのかを明らかにしていきたい。 なお、本研究で得られた成果は、随時関連の学会で発表するとともに、いくつかの研究成果は既に論文投稿して掲載されているが、さらに、これまでの成果を取りまとめて論文を執筆し、インパクトのある国際的なジャーナルへ投稿する予定である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(13 results)