Project/Area Number |
23K06112
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47030:Pharmaceutical hygiene and biochemistry-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木村 妙子 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 特任助教 (60748820)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | TBI / CTE / Tau / Tauopathy / tau / tauopathy / アルツハイマー病 / Aβ |
Outline of Research at the Start |
加齢依存的な神経変性疾患の予防、治療方法の開発が急務である状況が続いている。神経変性疾患の中でもタウ病変が関与するタウオパチーは、アルツハイマー病、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症などを含み、最も患者数が多い。これまで多くの研究が行われてきたにも関わらず、予防、治療法のみならず、原因さえ明らかになっていない。近年、TBIをうけたCTE患者脳内にもタウ病変が見られ、CTEもタウオパチーの一員として位置づけられた。TBIは疾患を引き起こす原因が脳損傷などと明確でありマウスモデルを用いれば、最初のヒットである脳損傷からタウの凝集、伝播を継時的に詳細に調べることができる。
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Outline of Annual Research Achievements |
加齢依存的な神経変性疾患の予防、治療方法の開発が急務である状況が続いている。神経変性疾患の中でもタウ病変が関与するタウオパチーは、アルツハイマー病、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症などを含み、最も患者数が多い。これまで多くの研究が行われてきたにも関わらず、予防、治療法のみならず、原因さえ明らかになっていない。近年、頭部外傷(TBI)をうけた慢性外傷性脳損傷(CTE)患者脳内にもタウ病変が見られ、CTEもタウオパチーの一員として位置づけられた。CTEは発症がTBIと原因が明らかであるため、マウスモデルを用いれば、タウの凝集、伝播を継時的に調べることができる。本研究では、定量性があり、人のスポーツ傷害や交通事故傷害を再現可能なCHIMERA(Closed-Head Impact Model of Engineered Rotational Acceleration)と呼ばれる新たなシステムを用いてCTE動物モデルを作出した。今年度はタウの凝集が効率よく引き起こされる条件を確立した。CHIMERAは、衝撃部位やピストンの速度を変化させ、脳への衝撃エネルギーを調節することで損傷部位や程度の異なるTBIの作成が可能である。申請者はタウ病変が早期に生じるヒトタウトランスジェニック(Tg)マウスを用い、中程度TBI (0.6 J)を3日おきに6回の複数回TBIにて安定的にタウ病理が促進される条件を確立した。タウ病理(リン酸化)は視覚伝道路、皮質の運動野、体性感覚野のVI, V層に観察された。野生型マウスではTBI後6ヶ月、そして12ヶ月で軸索損傷は長期観察されたがタウ病理は観察されなかった。ここからTBIは既に存在するタウ病理を促進させる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究内容については第42回日本認知症学会の「脳損傷を原因とする神経変性疾患の病理解明と組織修復を目指して」シンポジウムセッションにて発表を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
TBIによるタウ凝集メカニズムの解析を行う。上記で確立したヒトタウ TgでのTBIモデルを用いて、軸索損傷や神経炎症とタウ凝集の関連について解析する。タウ病理が促進された運動野,体性感覚野VI, V層神経細胞の軸索は、皮質脊髄路や体性感覚伝道路を経由する。それらの経路にて軸索損傷を銀染、Neurofilament抗体染色により評価する。炎症については軸索損傷部、タウ病理の出現部位にてIba-1抗体を用いミクログリアの活性化を判定する。近年、補体成分C1qがTBIによる慢性炎症および二次的な神経細胞死に寄与していることが報告された。そこでタウ病理の増悪へのC1qの関与について、C1q投与、抗体によるC1q除去法を用いてタウ病理への影響を検討する。またTBIによる病理とタウとの関連性については、タウノックアウト(KO)マウスを用いて検証する。次に、TBIモデルによるタウ異常リン酸化部位を定量解析し、凝集との関連を解明する。タウのリン酸化部位は数十箇所あり、それぞれの部位に対するリン酸化酵素も報告されている。従ってリン酸化部位が分かれば細胞内の環境がある程度理解可能となる。
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