Project/Area Number |
23K06115
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47030:Pharmaceutical hygiene and biochemistry-related
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
黒田 照夫 広島大学, 医系科学研究科(薬), 教授 (80304327)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊本 卓哉 広島大学, 医系科学研究科(薬), 教授 (50292678)
小田 康祐 安田女子大学, 薬学部, 講師 (60571255)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 薬剤耐性菌 / バンコマイシン / DNA topoisomerase IV / ヌファリジン / 黄色ブドウ球菌 / バンコマイシン耐性腸球菌 |
Outline of Research at the Start |
申請者が生薬から単離した6, 6’-dihydroxythiobinupharidine(DTBN)は、既存の抗菌薬とは異なる作用機序でDNA topoisomerase IV(TopoIV)を阻害し、かつバンコマイシンの抗菌活性を増強させる併用活性も持つ。本研究では、DTBNを「一剤二役」を実現しうるシード化合物と見立て、TopoIVに対する作用機序を分子間相互作用や立体構造の解析により詳細に明らかにし、一方でバンコマイシンとの併用効果の作用点を同定したうえで、作用機序の全貌を明らかにする。両者の活性に重要な化学的構造を明らかにし、有機化学的考察をふまえ「一剤二役」を満たす創薬基盤を整える。
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Outline of Annual Research Achievements |
生薬センコツから得られた抗菌性物質である6,6'-dihydroxythiobinupharidine(DTBN)について、作用機序の解析を進めた。標的である黄色ブドウ球菌のTopoisomerase IVのサブユニットとして、His-GSTタグを付与したParC及びParEの精製を行った。ParCについては問題なく精製できたが、ParEについてはその不安定さによりParEの分解産物が無視できない量で混在していた。そこでゲルろ過クロマトグラフィーを用いることでParEの精製を可能とした。これら精製したParC及びParEについてはin vitroでの再構成を行い、機能を保持した形で精製ができていることを確認した。精製ParC及びParEを用いて、DTBNがどちらと相互作用するかについて、Biacoreを用いて解析を行った。ParCにDTBNを作用させたときは変化は見られなかったが、ParEに対しては有意なシグナルの増大が確認された。この結果から、DTBNはParCではなくParEと相互作用することが強く示唆された。ParEはATPaseドメインとTOPRIMドメインから構成されている。そこでこれら部分タンパク質について精製を行うべく、プラスミドの構築を進めた。 本研究ではDTBNの使用量が多くなることが予想されたため、新たにセンコツからDTBNの抽出を進めた。以前の方法では精製方法がやや煩雑であったため、手順を簡略することにより収量を増大させることを目指し、現在抽出作業を進めている。 DTBNの誘導体を得るべく、部分構造であるヌファリジンの化学合成を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Topoisomerase IVは、細菌にとっての必須タンパク質であるため、年度当初は大量発現が不安定であった。しかしプラスミドの変更や、タグの変更を行うことにより、安定にかつ大量に精製できるプロトコルを確立できた。ParEの分解産物が混合していたが、ゲルろ過クロマトグラフィーを用いることで解消できた。In vitroでの再構成を行ったところ、活性が確認できたこと、またParCではなくParEと相互作用することを強く示唆する結果が得られたことから、概ね順調に進んでいるといえる。 DTBNの全合成はまだ完了していないが、途中段階までは進んでおり、当初の予定通りと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
ParEのATPaseドメインとTOPRIMドメインの精製は当初計画にはなかったが、DTBNの結合部位を同定するためには、DTBNとの共結晶を得る必要がある。そのためにもこの過程は必要であると考えた。各ドメインの精製を早期に進めることで研究の進捗を図る。 DTBNの全合成については当初はDTBN全体の合成を志向していたが、難易度が高いこともあり、まずはヌファリジン部分の合成を行うことにした。仮にヌファリジン部分だけでTopoisomeraseIVの阻害活性が見られた場合は、より合成が容易なヌファリジンから誘導体の合成を進める。
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