Project/Area Number |
23K06150
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47040:Pharmacology-related
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
首藤 剛 熊本大学, 大学院生命科学研究部附属グローバル天然物科学研究センター, 准教授 (80333524)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | T3 / COPD / モデルマウス / Elastase / 肺気腫 / ミトコンドリア / 慢性閉塞性肺疾患(COPD) / 代謝-臓器連関 / 甲状腺ホルモン / インスリン抵抗性 / apelin |
Outline of Research at the Start |
閉塞性肺疾患は、全世界で致死率の高い難治性の呼吸器疾患の総称である。申請者は、肺以外のさまざまな臓器・疾患研究において、代謝-臓器連関に関する研究が盛んになっている点に着眼し、独自に開発したヒト閉塞性肺疾患モデルマウスや様々なモデル細胞を駆使した実験解析およびヒト疫学解析を実施し、肺病態をモジュレートする複数の因子を同定した。本研究では、これまで肺領域では着目されていないユニークなモジュレーター3因子 (甲状腺ホルモン、apelin、インスリン抵抗性) に着目し、これらが肺疾患病態に与える影響を明らかにするとともに、閉塞性肺疾患の予防・診断・治療法の開発に繋げるための分子基盤の解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
T3の経気管投与が各種COPDモデル動物の肺病態に与える影響を検証した.近年,特発性肺線維症 (IPF) のモデルマウスへのT3の経気管投与は,ミトコンドリア機能の改善を介して,病態を抑制することが報告された.また,急性肺障害のモデルマウスにおいてもT3が肺保護的に作用することが報告された.本検討では,T3によるCOPD治療の可能性を検証するため,ElastaseマウスおよびC57BL/6-βENaC-Tgマウスに対し,T3を経気管投与し,その肺病態に与える影響について検証した.その結果,Elastaseマウスにおいてのみ気腫化の有意な抑制と呼吸機能の一部改善が認められた.次に,ElastaseマウスにおいてT3が病態抑制を示したメカニズムを探索するべく,ミトコンドリア生合成マーカーであるPpargc1a,酸化ストレス関連因子,成長因子,炎症性サイトカインの発現に着目した.その結果,T3の経気管投与は,Ppargc1aおよび抗酸化因子の一つであるGclmの発現を増加させたことから,T3の肺保護作用には,Ppargc1a-Gclm経路を介したミトコンドリア機能の改善や抗酸化作用が関与していることが示唆された.(Takahashi., et al., T3 Intratracheal Therapy Alleviates Pulmonary Pathology in an Elastase-Induced Emphysema-Dominant COPD Mouse Model. Antioxidants (Basel). 2023 13(1):30. doi: 10.3390/antiox13010030.に成果が掲載)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
T3に関連した成果は十分に達成され、生理活性ペプチドapelin、肥満誘導性 2 型糖尿病併発に関するプロジェクトの成果も順調に得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
生理活性ペプチドapelin 腹腔内投与による気腫病変優位型COPD肺病態抑制作用に関する研究を進める。具体的には、多様な作用点を有する包括的なアプローチを企図し、COPD併存疾患サルコペニアおよび心・血管疾患の治療標的として知られるapelinの各種モデルに対する投与がCOPD病態に対する影響 (気腫化、呼吸機能、炎症など) を検討する。 また、肥満誘導性 2 型糖尿病併発がCOPD病態に与える影響とその機序の解明を行う。COPD・2 型糖尿病合併症モデルマウスを作製し、合併症が肺の組織レベルで、直接的なインスリン不応答性、すなわち”肺組織インスリン抵抗性”を引き起こし、COPD肺病態を悪化させるメカニズムについて検討する。各種モデルにおける2 型糖尿病の併発がCOPD病態に対する影響 (気腫化、呼吸機能、炎症) および肺組織インスリン抵抗性 (パルミチン酸によるIGF-1シグナル応答性の低下) の機序の解明をRNA-seqを活用した網羅解析などの点から明らかにする。
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