Project/Area Number |
23K06171
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47040:Pharmacology-related
|
Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
森 麻美 帝京大学, 薬学部, 講師 (80453504)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
|
Keywords | 薬理学 / 微小循環 / 網膜色素変性 / 網膜血管緊張度 / 網膜神経傷害 / 網膜 / 網膜血管 |
Outline of Research at the Start |
網膜色素変性は、光を受容する視細胞の神経変性が徐々に進行して引き起こされる遺伝性の眼疾患であり、日本の後天性失明原因の第 2 位であるにも関わらず、未だ有効な治療法は確立されていない。この病態の発症や進行に網膜の血流低下が関与している可能性があり、網膜循環の正常化が視覚障害の進行の抑制に重要と考えられるため、本研究では網膜循環障害の機序とその回復法について明らかにし、予防・治療薬の探索につなげる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
網膜色素変性は、視細胞における遺伝子変異により、神経変性が徐々に進行して引き起こされる眼疾患であり、我が国においては緑内障に次ぐ後天性失明原因の第 2 位の疾患であるにも関わらず、未だ有効な治療法は確立されていない。網膜への血流は、網膜内層を網膜血管が、網膜血管の存在しない網膜外層は脈絡膜血管が供給している。網膜神経変性疾患の 1 つである網膜色素変性では、網膜血管の存在しない網膜外層の視細胞である桿体・錐体細胞が障害されるが、網膜内層に存在する網膜血管の血流低下も報告されている。そのため、網膜色素変性で早期に生じる網膜循環障害の正常化が、視覚障害の発症や進行を抑制するために非常に重要であると考えられる。しかし網膜色素変性において網膜循環障害が引き起こされる機序の詳細は不明である。 本研究では、ツニカマイシン誘発網膜色素変性ラットを用い、網膜色素変性に随伴する網膜循環障害の発症機序を明らかにするとともに、それに関与する因子を同定し、網膜循環を正常化することで、最終的には網膜循環改善と神経保護の両作用を併せ持つ予防・治療薬の探索を行うことを目的とする。 これまでに、ツニカマイシン硝子体内投与後の視機能は緩徐に低下していき、投与 7 日後をピークとして 14 日後までにさらなる視機能の低下がみられなかったこと、投与 14 日後の網膜色素変性ラットにおいて、アセチルコリン静脈内投与による網膜血管拡張反応が減弱することが明らかになった。本研究成果は、視機能の低下が緩徐である早期の網膜色素変性において、網膜深層の神経傷害であるにもかかわらず、網膜表層の網膜血管拡張機能障害が起こることを示唆している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに、ツニカマイシン硝子体内投与後の経時的な網膜電図の測定により、視機能が徐々に低下していくこと、その低下は緩徐であり、ツニカマイシン投与 7 日後をピークとして、14日後までにさらなる低下は見られないことを明らかにした。また、投与 14 日後の網膜色素変性ラットにおいて、アセチルコリンによる内皮依存性の網膜血管拡張反応が減弱することを見出した。
|
Strategy for Future Research Activity |
①網膜色素変性ラットの血管作動性物質による網膜血管拡張機能の評価:ツニカマイシン硝子体内投与 14 日後における NO 供与体、アドレナリン β2 刺激薬、アドレナリン β3 受容体刺激薬、プロスタグランジン I2、ホスホジエステラーゼ 4 阻害薬、電位依存性 Ca2+ チャネル遮断薬などの静脈内投与による網膜血管拡張反応を in vivo 網膜血管機能実験により評価する。また、ツニカマイシン硝子体内投与 7 日後におけるアセチルコリンや NO 供与体などの静脈内投与による網膜血管拡張反応の評価も同様に行う。 ②網膜色素変性ラットの網膜神経刺激による血管拡張機序:ツニカマイシン誘発網膜色素変性ラットの網膜血管拡張能について、網膜神経あるいはグリア細胞刺激を介した neurovascular unit の破綻が生じるか否かについて、N-メチル-D-アスパラギン酸 (NMDA) あるいは NO 供与体を用いて in vivoで評価する。NMDA あるいは NO 供与体の硝子体内投与による網膜血管拡張反応が減弱した場合には、その機序の詳細についても明らかにする。 ③網膜色素変性ラットの網膜構成細胞構造の評価:ツニカマイシン誘発網膜色素変性ラットの網膜フラットマウント標本及び網膜組織切片を作製し、免疫蛍光染色法により神経細胞及びグリア細胞の各種タンパク発現と構造変化を評価する。
|