近赤外光活性化人工チャネルの創生による抗がん治療法の開発
Project/Area Number |
23K06215
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47060:Clinical pharmacy-related
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Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
吉田 卓史 帝京平成大学, 薬学部, 准教授 (30455795)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 喜理 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (60455780)
清水 芳実 帝京平成大学, 薬学部, 講師 (70633931)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | チャネル / 光遺伝学 |
Outline of Research at the Start |
がんに対する遺伝子治療はがん細胞に対する特異性が上がってきているが正常細胞とがん細胞の選別は完全とは言えず、より低侵襲で高腫瘍選択的な治療法の開発が望まれている。本研究は、光遺伝学を利用して生体透過性の高い近赤外光により時空間的に任意に活性を制御できる遺伝子改変カルシウムチャネルを開発し、これをがん細胞特異的に発現させる手法と合わせることで、がん細胞にのみ過剰なカルシウムイオンを流入させ細胞死を引き起こさせる手法の開発を目指す。この方法は患者にとって低侵襲で高い腫瘍選択性を持ち、副作用を抑制できる新規の抗がん治療法の開発につながる。
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Outline of Annual Research Achievements |
がんに対する遺伝子治療は近年の遺伝子組み換え技術の進歩により特定の分子を標的とすることで、がん細胞に対する特異性が上がってきているが正常細胞とがん細胞の選別は完全とは言えず、より低侵襲で高腫瘍選択的な治療法の開発が望まれている。本研究は、光遺伝学を利用して生体透過性の高い近赤外光により時空間的に任意に活性を制御できる遺伝子改変カルシウムチャネルを開発し、これをがん細胞特異的に発現させる手法と合わせることで、がん細胞にのみ過剰なカルシウムイオンを流入させ細胞死を引き起こさせる手法の開発を目指す。この方法は患者にとって低侵襲で高い腫瘍選択性を持ち、副作用を抑制できる新規の抗がん治療法の開発につながる。これまでにX線構造解析によりチャネルの開いた状態と閉じた状態のそれぞれの構造が明らかとなっているCNGA1チャネルを選択して、そのN末端とC末端に近赤外光により複合体を形成する近赤外光反応性モジュールを組み込んだ赤外光応答性人工チャネルタンパク質の発現プラスミドを2種類作成した。これらのプラスミドが、哺乳類細胞内で人工チャネルタンパク質を発現させることができるのか、また、人工チャネルタンパク質が形質膜に局在することができるのかを確認するためにHeLa細胞に遺伝子導入を行い、人工チャネルタンパク質を免疫蛍光染色して共焦点レーザー顕微鏡により観察することで局在を調べたところ、2つの人工チャネルタンパク質はともにHeLa細胞の形質膜に発現して局在していることが明らかとなった。今後はこれらの人工チャネルタンパク質が赤外線照射によりCa2+を透過することができるかを調べる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
赤外光応答性人工チャネルタンパク質の中心として使用したCNGA1チャネルタンパク質はマウスよりクローニングを行い、これに光応答性モジュールを組み込んだ人工チャネルタンパク質を作成したが、クローニング途中で変異と欠失の存在が確認された。これらを修正するのに少し時間がかかった。また、発現と局在の確認に免疫蛍光染色を行ったが、CNGA1チャネルを認識する抗体がうまく機能しなかったため、新たに発現プラスミドにFlagタグをつけたプラスミドを構築し、抗Flag抗体を用いることで細胞内局在を共焦点レーザー顕微鏡により明らかとすることができた。これらの問題が出てきたため修正に時間を取られたが、対策を立てることにより概ね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
赤外光応答性人工チャネルタンパク質が哺乳類細胞内において当初の予定通り形質膜に発現していることが明らかとなったため、今後はチャネル機能が近赤外光により制御できるかを調べることとする。具体的にはHEK293細胞に発現させた赤外光応答性人工チャネルタンパク質に対して高輝度LED照明により近赤外光を照射する。この時にチャネルが応答して細胞内にCa2+を透過するかどうかを、電気生理学的手法とCa2+イメージングにより測定することで確認する。うまくイオンが流れない場合はモジュールとCNGA1チャネルの間隔を変えたものを作成することで構造を最適化する。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)