Project/Area Number |
23K06228
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47060:Clinical pharmacy-related
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Research Institution | Kobe Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
堀部 紗世 神戸薬科大学, 薬学部, 講師 (50389110)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | シスプラチン耐性 / 5-アミノレブリン酸 / 光線力学療法 |
Outline of Research at the Start |
ヒト肺がん由来細胞から樹立したシスプラチン耐性細胞おいて、細胞内で光感受性物質に変換される5-アミノレブリン酸(5-ALA)を用いた光線力学療法(PDT)による殺細胞効果が親細胞株より増強していることを明らかにしており、シスプラチンに対して耐性化したがんに対する治療法として5-ALAを用いたPDTが有効である可能性を見出している。本研究では、ヒト肺がん由来細胞以外のがん種のシスプラチン耐性細胞においても5-ALA-PDTが有効であるかを明らかにし、シスプラチンに耐性化したがんに対して5-ALAを用いたPDTが普遍的治療法になりうるものか明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
白金製剤であるシスプラチンに耐性化したがんに対して有効な治療法の開発は喫緊の課題である。私どもは、腫瘍に集積しやすい光感受性物質と光照射を用いた光線力学療法(PDT)に着目し、シスプラチンに耐性化したがんに対してPDTが普遍的治療法になりうるものか明らかにすることを研究目的としている。 予備検討において、ヒト肺がん由来シスプラチン耐性細胞では、5-アミノレブリン酸(5-ALA)を用いたPDTによる殺細胞効果が増強しており、その要因として細胞内の光感受性物質であるプロトポルフィリンⅨ(PpⅨ)の蓄積量増加が関与することを明らかにした。本年度は、ヒト子宮頸がん由来シスプラチン耐性細胞を用いて、5-ALA-PDTの有効性について検討した。その結果、ヒト肺がん由来シスプラチン耐性細胞と同様に、5-ALA-PDTによる殺細胞効果が増強し、PpⅨの蓄積量が増加していた。したがって、シスプラチン耐性化したがんに対して5-ALA-PDTが有効である可能性が示された。さらに、担癌マウスを用いた5-ALA-PDTの抗腫瘍効果を評価するために、5-ALA投与後のPpIXの体内分布についてIVISを用いて検討した。200 mg/kgの5-ALAを経口投与後、腫瘍におけるPpⅨ由来の蛍光は、4時間をピークとし、6時間では消滅していた。また、5-ALA投与4時間後に肺、肝臓、腎臓および腫瘍を摘出し、PpⅨの蓄積についてIVISを用いて検討した。その結果、腫瘍以外に肺および肝臓にPpⅨ由来の蛍光を検出した。5-ALA投与4時間後に630 nmの光を50、80および150J/cm2の線量で照射したところ、50 J/cm2では抗腫瘍効果が観察されず、80および150 J/cm2では、すべてのマウスが照射後3日以内で死亡した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒト肺がん由来細胞を皮下移植して作成した担癌マウスを用いて5-ALA-PDTを行ったが、安全で有効性を評価できるプロトコルの確立が出来なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
in vitroの実験においては、計画通り遂行できており、このまま計画通り行う。 担癌マウスを用いて、5-ALA-PDTの安全で有効性を評価できるプロトコル確立を目指す。 鼠頸部に皮下移植して作出した担癌マウスでは、5-ALA経口投与後の肝臓や肺にPpIX由来の蛍光を観察され、5-ALA-PDT後のマウスの腹腔内には水が溜まっており、5-ALA-PDTにより内臓が傷害された可能性が考えられた。今後は、5-ALA-PDTの安全で有効性を評価できるプロトコル確立を目指し、光照射による内臓組織への影響を及ぼさないように、がん細胞を移植する部位を変更して実験を行う。
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