Project/Area Number |
23K06261
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47060:Clinical pharmacy-related
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
山中 将敬 国際医療福祉大学, 薬学部, 准教授 (50582102)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | シグレック / 好酸球 / アスペルギルス症 |
Outline of Research at the Start |
真菌であるAspergillus fumigatus に感染し、予後不良なアスペルギルス症を発症する。アスペルギルス症の発症時に患者体内では、増殖した好酸球が組織へ遊走し顆粒タンパク質を放出して組織を傷害していると考えられており、患者組織は好酸球からの影響を受けている可能性がある。本研究ではアスペルギルス症患者体内でおこっている好酸球の機能や現象の機序を明らかにすることによって、臨床上の問題を解決する新たな治療薬を開発できる候補を提案していく。
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Outline of Annual Research Achievements |
真菌であるAspergillus fumigatus が感染し、アスペルギルス症を発症する。アスペルギル症は死亡率がきわめて高く予後不良な感染症である。アスペルギルス症は患者体内で好酸球が増殖し、遊走した好酸球より放出される炎症性顆粒タンパク質により組織傷害が生じる。近年、アスペルギルス症の原因菌種が多様化や治療薬に対して低感受性、耐性を示す菌種が出現する問題がある。しかし、Aspergillus fumigatus 感染時の好酸球の機能は未だにわかっていない。ヒトの好酸球にはシグレック8 が発現しており、シグレック8 とシアル酸を含むリガンド分子の結合は好酸球の機能を調節している可能性は高い。申請者の事前研究により、シグレック8 がAspergillus fumigatus に存在する膜タンパク質ArtAの糖鎖部分と結合すること、シグレック 8 細胞内領域にチロシンホスファターゼSHP-1とSHP-2が会合していることを明らかにしている。 2023年度は本研究を推進するために以下①~②の項目を実施した。①シグレック8を介する好酸球増殖のシグナル伝達経路の解明 ②Aspergillus fumigatus 感染時における好酸球の組織遊走
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
①シグレック8を介する好酸球増殖のシグナル伝達経路の解明 サイトカインの中でも好酸球の増殖を調節しているインターロイキン(IL)-3、IL-5、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子 GM-CSF の産生およびIL-3、IL-5、GM-CSFを制御するヤーヌスキナーゼJAK2、転写因子STAT5に関与する伝達経路について解析した。広く使用されている阻害剤を用いて解析を試みたがシグナル伝達経路解析できる有用な結果を得ることができなかった。シグナル伝達経路の解析に用いた好酸球様がん細胞に問題があることがわかった。 ②Aspergillus fumigatus 感染時における好酸球の組織遊走 アスペルギルス症の特徴として、好中球が組織(特に肺)へほとんど遊走していないにもかかわらず、好酸球は組織に遊走していることがあげられる。末梢血顆粒球の多くが好中球であることを考えると、好酸球の組織遊走には選択的な機序がはたらいていることが予想される。接着分子と遊走因子に注目し、好酸球が組織へ遊走する機序を解析した。 細胞遊走では、接着分子インテグリンとそのリガンド分子が重要な働きをしている。好酸球上にはβ1インテグリンの1つであるVLA-4 (very late-antigen-4)分子が発現し、好酸球遊走に関与している可能性がある。フローサイトメトリー法により好酸球様がん細胞表面におけるVLA-4の発現量を解析した所、VLA-4の発現量が少なく今後の解析が厳しくなることが予想された。
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Strategy for Future Research Activity |
申請時の予備実験では明らかにすることができなかった使用していた複数の好酸球様がん細胞に本研究を遂行するために問題があることがわかった。本年度は適切な倫理審査を申請した後に、ヒト健常者から好酸球を単離して研究の実施を検討している。顆粒球である好酸球は細胞としての寿命が短いことが知られており、安定した研究成果を得るために好酸球の不死化も視野にいれている。また、アスペルギルス症の原因菌種であるAspergillus fumigatus の病原性リスクを解明し、ハイリスク系統の有無を解析し国内地域による遺伝的特徴があるかを検討していきたい。
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