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ヒトシュワン細胞の分化制御機構解明に資する培養技術の確立

Research Project

Project/Area Number 23K06272
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Allocation TypeMulti-year Fund
Section一般
Review Section Basic Section 47060:Clinical pharmacy-related
Research InstitutionNational Center of Neurology and Psychiatry

Principal Investigator

徳永 慎治  国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 疾病研究第五部, 特任研究室長 (50644621)

Project Period (FY) 2023-04-01 – 2026-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
KeywordsヒトiPS細胞 / シュワン細胞 / 感覚神経 / 後根神経節 / 体幹神経堤細胞 / 髄鞘形成 / アスコルビン酸 / ミエリン / 後根神経節様オルガノイド
Outline of Research at the Start

本研究はヒトiPS細胞から感覚神経細胞およびシュワン前駆細胞が混在した後根神経節様オルガノイドを作製し、未成熟シュワン細胞を経て多様に分化する過程を分子・細胞レベルで検証可能な培養手法の確立と解析技術の構築を行う。本研究によって得られる知見は、ヒトシュワン細胞の分化制御に示唆を与えるとともに、確立された手法はこれまで困難であったヒトシュワン細胞の基礎生物学的な理解を深める基礎研究や、未成熟なシュワン細胞を再生医療に向けた細胞材料として活用する応用研究に貢献することが期待される。

Outline of Annual Research Achievements

ヒトiPS細胞(hiPSC)由来感覚神経細胞およびシュワン細胞の共培養系を用いて髄鞘形成評価系の確立に取り組んだ。1)hiPSCから体幹神経堤細胞を分化させる手法を確立した。この新たな分化誘導手法は、ゼノフリーかつ組成が完全に明らかな培養条件で構築されており、従来の培養条件より再生医療に用いる細胞材料を作製する目的に適している、という特長を有する。遺伝子発現解析の結果から、hiPSCから神経中胚葉前駆体の性質を一過性に獲得した後、体幹神経堤細胞へと分化する遺伝子発現パターン変化を示した。これは近年提唱されている生体内の体幹神経堤細胞の分化過程と類似しており、興味深い結果だと考える。2)上記手法を用いて作製した体幹神経堤細胞から感覚神経への分化が十分に起こることを遺伝子発現および細胞形状のフェノタイプとして確認した。3)同様に、シュワン細胞様の細胞への分化誘導は再現性高く観察できた。4)hiPSC由来感覚神経およびシュワン細胞様の細胞の共培養系を用いて、髄鞘化への誘導条件を検討した結果、神経突起に寄り添い髄鞘化に向かう細胞の出現頻度および再現性に課題が残った。5)マウス後根神経節を用いた髄鞘試験に(4)において見出された暫定的な「ヒト細胞用髄鞘形成培養条件」を適用した結果、アスコルビン酸を含有しない培養液組成で高頻度な髄鞘形成が生じることが明らかとなった。WooodおよびBungeらが、1987年に発表した論文において、血清およびアスコルビン酸の組み合わせが最も高効率に髄鞘形成を誘導することを報告した(Jounal of Cell Biology, 1987)。本研究において、見出した髄鞘形成誘導条件は上記2因子を含まない培養液組成であるため、その髄鞘形成過程を解明することで、新たな知見に繋がることが期待される。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

R5年度の最も大きな進展は、hiPSCから体幹神経堤細胞を分化させる手法を確立したことである。この新たな分化誘導手法は、ゼノフリーかつ組成が完全に明らかな培養条件で構築されており、従来の培養条件より再生医療に用いる細胞材料を作製する目的に適している、という特長を有する。また、当該神経堤細胞を用いて感覚神経細胞およびシュワン細胞様の細胞を分化誘導し後根神経節オルガノイドを作製条件の検討に着手した。(i)基礎培地の組成、(ii)各種成長因子の添加量と時期、(iii)培養デバイス、(iv)細胞数、(v)培養期間の検討を実施することで、後根神経節オルガノイド中の細胞構成を髄鞘化に適した割合となるよう最適化検討を進めている。また、暫定的な「ヒト細胞用髄鞘形成培養条件」をマウス後根神経節の髄鞘形成培養モデルに適用した結果、アスコルビン酸を含有しない培養液組成で高頻度な髄鞘形成が生じることが明らかとなった。上記の検討により、ヒトiPS細胞由来の後根神経節オルガノイドをマウス後根神経節の細胞構成と類似させることで、髄鞘形成が高効率に生じる見通しが立った。もし、髄鞘形成の効率が低い場合にはマウスとヒトの種差が影響することが強く示唆されるため、新たな知見が得られることが期待される。これらの進捗から、概ね順調に進捗していると考える。

Strategy for Future Research Activity

直近の課題は、hiPS細胞から分化誘導した体幹神経堤細胞を用いて感覚神経細胞およびシュワン細胞を分化誘導し後根神経節オルガノイドを形成させる分化条件の確立である。(i)基礎培地の組成、(ii)各種成長因子の添加量と時期、(iii)培養デバイス、(iv)細胞数、(v)培養期間の検討を実施することで、後根神経節オルガノイド中の細胞構成を髄鞘化に適した割合となるよう最適化の検討を進める。
ヒトiPS細胞由来の後根神経節オルガノイドをマウス後根神経節の細胞構成と類似させたうえで、「ヒト細胞用髄鞘形成培養条件」での髄鞘形成効率を調べる。マウス後根神経節を用いた検討から、髄鞘形成が高効率に生じることが期待されるが、万が一、髄鞘形成の効率が低い場合にはマウスとヒトの種差が影響することが強く示唆される。その場合、髄鞘形成効率を高めるための検証が必要だが、種差に関する新たな知見を得るチャンスとなり得る。
当初の研究計画において、培養フォーマットは様々なアプリケーションに応用できるよう、24 wellプレートあるいは96 wellプレートの両方での確立を想定した。髄鞘化形成の誘導条件はマウス後根神経節を用いた手法において24 wellプレートで最適化されており、培養条件のミニチュア化が必要となる。R5年度の検討において、マウス後根神経節を用いた髄鞘形成効率は培養溶液あるいは培養容器サイズによって影響を受けることがわかった。そこで、今年度は96 wellプレートを用いた培養条件最適化検討を実施する。これらの検討を行うことで、本研究の到達目標を概ね達成できると考える。

Report

(1 results)
  • 2023 Research-status Report
  • Research Products

    (1 results)

All 2024

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] ヒトiPS細胞由来感覚神経細胞およびシュワン様細胞を用いた髄鞘形成培養モデルの確立に向けた検討2024

    • Author(s)
      德永慎治、林 新、平木啓子、近藤遼平、若月修二、荒木敏之
    • Organizer
      第8回日本ミエリン研究会
    • Related Report
      2023 Research-status Report

URL: 

Published: 2023-04-13   Modified: 2024-12-25  

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