フレイルの発生、進行、改善に対するポリファーマシーと慎重投与薬処方の影響
Project/Area Number |
23K06274
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47060:Clinical pharmacy-related
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
水上 勝義 筑波大学, 体育系, 教授 (20229686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 喜代次 筑波大学, 体育系, 名誉教授 (50163514)
笹井 浩行 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究副部長 (60733681)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 高齢者 / フレイル / ポリファーマシー / 慎重投与薬 |
Outline of Research at the Start |
本研究の特徴は、薬剤による影響をみるにあたり、フレイルの新規発生のみならず、フレイルから要介護への進展や健常への回復をアウトカムとすることにある。また、特徴の異なる二つの地域高齢者のコホートデータを用いて課題を検証することにより、知見の頑健性や汎用性を確認できる。 フレイルの新規発生、要介護(自立喪失)への進展、健常への改善にポリファーマシーやPIMがどのように関連するかが明らかになれば、高齢者の大部分が該当する健常からフレイルの両方において、適正な薬剤処方・使用の重要性が示されることとなり、臨床や介護予防活動の充実を通じて、健康寿命の延伸に大きく貢献できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
現在東京都と山形県の2か所で研究を勧めている。2022年3月板橋区で実施した板橋健康長寿縦断研究会場調査の対象者1021人(男性45.4%、平均年齢77.9歳)のデータを用い、服用薬剤の個数とフレイルおよびその構成要素との関係を分析した。多剤服用は、自己申告による5種類以上の処方薬服用で定義し、フレイルは日本版改訂Cardiovascular Health Study基準を用いて判定した。順序・二項ロジスティック回帰分析を用いて、多剤服用とフレイルの程度やフレイル表現型との関連を分析した。対象者1021人のうち67人(6.6%)がフレイルに、543人(53.1%)がプレフレイルに該当した。多剤服用者と非多剤服用者のフレイルの有病割合はそれぞれ10.1%、5.0%だった。多剤服用者は非多剤服用者に比べ、フレイル(調整後オッズ比[95%信頼区間]、1.89 [1.40-2.57])、体重減少(1.81 [1.00-3.27])、筋力低下(1.50 [1.08-2.09])、歩行速度低下(2.25 [1.29-3.94])の該当リスクが高かった。この成果は第12回IAGGアジア/オセアニア国際老年学会議(IAGG-AOR2023)で発表するとともに、Geriatrics and Gerontology International誌に原著論文として掲載された(Daimaru, Mizukami, Sasai et al., 24(Suppl 1):196-201, 2024)。 山形県戸沢村と金山町で、役所の職員と研究についての相談をし、地域住民の基本データ(年齢、性別、家族構成)、日常生活圏域ニーズ調査64 項目(生活習慣、基本チェックリスト25 項目)のデータと国保データベースの治療薬物データを分析することの内諾を得た。このため、2023年12月9日に倫理申請を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
板橋区在住の高齢者データを利用した結果については、得られたデータを基に、ポリファーマシーとフレイルの関連性について分析し、結果について英文で論文発表を行っている。山形県の高齢者データについても倫理申請にやや時間を要したものの、2024年4月5日付で承認され、データ収集と分析の準備が整った。今年度中に分析まで実施できる見通しが立っている。 以上から、おおむね順調に進展している、と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
筑波大学体育系研究倫理委員会に倫理申請を行い、2024年4月5日付で承認された。本年度にデータの収集および分析を開始できる環境が整った。2024年度には山形県戸沢村と金山町の高齢者住民のデータを用いたポリファーマシーとフレイルの関連性についての分析を実施する予定である。2024年6月からデータの収集を開始する。その後、10月より得られたデータについて、基本チェックリストをもちいてフレイルの重症度を分類する、さらにKDBデータからポリファーマシー対象者を抽出する。その後フレイルとポリファーマシーの関連性についての分析に着手する。以上は今年度中にすべて実施可能と考えている。2025年度は、3年間のポリファーマシーやフレイルの推移について分析を進める予定である。 板橋区の高齢者住民を対象とした調査については、今後、服用薬剤の個数のみならず、お薬手帳等からの薬効分類、慎重投与薬を考慮した分析が必要と考えている。すでに2022年3月に実施した板橋健康長寿縦断研究会場調査の参加者約1100人の薬手帳の情報は電子化し、2023年2月に実施した同調査の新規参加者600人の同情報についても、電子化作業を進めている。それらのデータを用い、フレイルとの関連についての横断分析を2024年度に進める予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)
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[Presentation] Association of polypharmacy with the severity of frailty in community-dwelling older adults: Itabashi Longitudinal Study on Aging2023
Author(s)
Kaori Daimaru, Yosuke Osuka, Narumi Kojima, Katsuyoshi Mizukami, Keiko Motokawa, Masanori Iwasaki, Hiroki Inagaki, Fumiko Miyamae, Tsuyoshi Okamura, Hirohiko Hirano, Shuichi Awata, and Hiroyuki Sasai
Organizer
IAGG Asia/Oceania Regional Congress 2023
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Int'l Joint Research