Project/Area Number |
23K06276
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47060:Clinical pharmacy-related
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
鈴木 昭夫 岐阜大学, 医学部附属病院, 准教授 (80775148)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 秀樹 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (00419665)
岡田 英志 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (30402176)
富田 弘之 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (50509510)
小林 亮 岐阜薬科大学, 薬学部, 講師 (50555662)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | グリコカリックス / 末梢神経障害 / オキサリプラチン / ナファモスタット / 電子顕微鏡 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、抗がん剤による血管内皮GCXの脱落が末梢神経障害(CIPN)の発症および重症化に及ぼす影響を明らかにすることを目的とする。末梢部位の血管内皮GCXの脱落とCIPNの程度との関連をWild-typeマウスおよびGCXの構成成分であるヘパラン硫酸のノックアウトしたマウスを用いて評価する。さらに、GCXの保護薬を用いてCIPNの重症化に対する抑制効果を検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は計画通り、1.オキサリプラチン(L-OHP)による血管内腔GCXの脱落がCIPNの発症および重症化に及ぼす影響及び、2.GCX脱落の保護によるL-OHPによるCIPNの発症および重症化抑制効果について検討した。以下に研究実績の概要を示す。 1.L-OHPによる血管内腔GCXの脱落がCIPNの発症および重症化に及ぼす影響:大腸癌細胞株MC38を移植した8週のC57BL/6NCrSlcマウスにL-OHPを投与すると、末梢神経障害の発現と経時的の重症化及び、神経線維の傷害をvon-Frey filament 試験、表皮内神経線維密度 (IENFD)解析により確認した。また、腫瘍体積の減少を確認した。そこで、走査型顕微鏡及び共焦点レーザー顕微鏡により末梢の神経線維及び血管内皮を観察すると、L-OHP投与マウスでは血管-神経間の浮腫及び血管内皮GCXの脱落が観察された。 2..GCX脱落の保護によるL-OHPによるCIPNの発症および重症化抑制効果:次に、ナファモスタット(NAF)による血管内皮GCXの保護がL-OHPによるCIPNの発症および重症化におよぼす影響を検討した。L-OHPにNAFを併用したマウスでは、von-Frey filament 試験による後肢を引っ込 める反応は9週目までコントロール群やNAFのみを投与した群と有意な差は認められなかった。また、腫瘍体積の縮小についてはL-OHP投与群と有意な差は認められなかった。さらに、走査型顕微鏡及びIENFD解析による観察では血管-神経線維間の浮腫、GCXの脱落及び神経線維傷害の軽減が認められた。 ビンクリスチンにおいても同様の結果が得られており、これらの本結果は、The Journal of Pain、Biochemical and Biophysical Resarch Communicationsに受理された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度は研究計画通り、L-OHP及びビンクリスチンによる末梢神経障害の発現にグリコカリックス障害が関与していることを明らかにし、その成果を国際雑誌に報告できた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度以降は、研究計画通り、GCXの構成成分であるヘパラン硫酸の合成に必須の糖転移酵素であるEXT1を血管内皮特異的にノックアウトしたマウスを用いて同様に評価し、Wild Typeマウスの場合と障害の発現時期や程度を比較検討することにより、末梢神経障害の発現と血管内皮GCXの傷害について追究する。 また、GCXの保護が認められているアンチトロンビン製剤やトロンボモジュリン製剤についても末梢神経障害の軽減効果を検討する。 さらに、L-OHPとは末梢神経障害の発現機序が異なるタキサン系のパクリタキセルを用いて同様の検討を行っていく。
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