Project/Area Number |
23K06293
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47060:Clinical pharmacy-related
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Research Institution | Osaka Ohtani University |
Principal Investigator |
浦嶋 庸子 大阪大谷大学, 薬学部, 講師 (90636309)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | フェニトイン / 経腸栄養剤 / 連続投与 / カルバマゼピン / バルプロ酸 / レベチラセタム / 血中濃度 |
Outline of Research at the Start |
薬物と経腸栄養剤を併用した場合、経腸栄養剤の単回投与では、血中薬物濃度の低下による治療効果の低下や中毒症状などの重篤な副作用が引き起こされることが知られていたが、経腸栄養剤の長期連用における変化は不明であった。本研究では、これまで未着手であった経腸栄養剤の長期投与による抗てんかん薬への影響を明らかにする目的で、ラットを用いて薬物代謝酵素や排泄トランスポーターの発現量ならびに消化管運動の変化について解明する。本研究で得た知見を基に、臨床にてヒトでの経腸栄養剤と抗てんかん薬の併用による相互作用を検証し、薬物の適正な投与指針の確立と添付文書の改訂を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度においては、抗てんかん薬であるフェニトイン (PHT) に対する経腸栄養剤1週間連続投与の影響について明らかにした。 PHTは主に、CYP2C6により4-HPPHに代謝され、4-HPPH は CYP2C11によってさらに代謝される。そこで、経腸栄養剤(F2α、ラコールNF、エンシュア・リキッド、エンシュア ・H) を1週間連続投与した場合の、ラットにおけるPHT および主代謝物である 5-(4’-hydroxyphenyl)-,5-phenylhydantoin (4-HPPH) の血中濃度変化と、代謝に関わる CYP2C6およびCYP2C11の発現量変化について検討した。7-8 週齢の SD 系雄性ラットに対して各経腸栄養剤を給水瓶にて 1 週間自由摂取させた。その後右頸静脈へカニューレを挿入し、PHT 30 mg/kg を胃ゾンデにて強制経口投与した。その結果、control群と比較して、F2α群およびラコールNF群ではTmaxに延長傾向があるものの、AUC0→7hに変化はみられなかったが、エンシュア・リキッド群およびエンシュア・H 群では Tmax の延長および AUC0→7hの低下傾向が見られた。また、PHTに対する 4-HPPH の血中濃度比および AUC 比は、F2α群およびラコールNF群では低下傾向にあり、エンシュア・リキッド群およびエンシュア・H 群では上昇傾向にあった。さらに、ラットの肝組織中の代謝酵素について、ラコールNF 群、エンシュア・リキッド群およびエンシュア・H 群ではCYP 2C6およびCYP2C11のmRNA発現量がcontrol群に比較して有意に低下し、F2α群はCYP2C11のみが有意に低下した。 以上より、経腸栄養剤の1週間連続投与が、PHTの吸収低下もしくは吸収遅延、さらに代謝の阻害を引き起こすことが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、フェニトインの他、カルバマゼピン、バルプロ酸、レベチラセタムについて検討する予定であるが、すでにフェニトインとカルバマゼピンについて概ね完了している。令和6年度で、バルプロ酸、レベチラセタムについて検討を進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、フェニトイン(PHT)における結果について、血中PHT濃度の変化、ならびに関連する代謝酵素のmRNA発現量変化について明らかにした。令和6-7年度においては、バルプロ酸ならびにカルバマゼピンについて明らかにすると共に、消化管運動機能に対する影響についても検討を進める。
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