Project/Area Number |
23K06302
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 48010:Anatomy-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
加藤 大輔 名古屋大学, 医学系研究科, 講師 (10712292)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 2光子顕微鏡 / オリゴデンドロサイト / 白質機能障害 / 加齢 / カルシウムイメージング / アルツハイマー型認知症 / 2光子顕微鏡 |
Outline of Research at the Start |
白質は髄鞘化された軸索で構成され、脳領域を繋ぐケーブルとして働く。白質病変を有する高齢者は認知機能が有意に低下し、これらの関連性が注目されている。研究代表者は白質で起こる神経活動依存的な髄鞘化が障害されたマウスを用い、活動電位到達時間の分散の上昇が神経回路の自発活動増加を引き起こし、学習障害を惹起することを明らかにした。その中で、同様の障害が白質病変を伴う認知機能低下でも起こると考えた。そこで本研究は、神経活動依存的な髄鞘化を担うオリゴデンドロサイト(OL)の加齢に伴う動態・機能応答の変化と分子機序を明らかにし、これを制御することで加齢に伴う認知機能低下が改善するか検証することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
白質は髄鞘化された軸索で構成されており、異なる脳領域をつなぐケーブルとして働く。臨床的に白質病変を有する高齢者は認知機能が有意に低下し、これらの関連性が大変注目されている。研究代表者は白質内で起こる神経活動依存的な髄鞘化が障害されたマウスを用い、活動電位到達時間の時間的分散の上昇が神経回路の自発活動の増加を引き起こし、運動学習障害をもたらすことをこれまで明らかにしてきた。その中で、同様の障害が白質病変を伴う認知機能低下でも起こるのではないかと考えた。そこで本研究は、神経活動依存的な髄鞘化を担うオリゴデンドロサイト(OL)の加齢に伴う動態及び機能応答の変化と分子機序を明らかにすることを目的とした。 まずはじめに2光子顕微鏡を用い、野生型マウスのOLの機能応答を可視化し、その応答特性を抽出・定量化した。その結果、OLの機能応答は、神経細胞活動依存的に変化し、グルタミン酸やアデノシン3リン酸などの神経伝達物質毎で異なる制御を受けていることが明らかとなった。次に、OLの機能応答が加齢をリスク因子とするアルツハイマー型認知症病態にどのように関与しているかを検証した。その結果、行動異常が出現する前の月齢(5ヶ月齢)のアルツハイマー型認知症モデルマウスにおいて、すでにOLの機能応答が、神経細胞活動非依存的かつATP依存的に制御されるという変容を起こしていることが明らかとなった。本研究成果は、OLに着目した神経変性疾患の早期治療戦略に結び付く可能性があると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
オリゴデンドロサイトの機能応答が、神経細胞活動依存的に変化し、神経伝達物質毎で異なる制御を受けていることを明らかにできたため。さらに、このオリゴデンドロサイトの機能応答と加齢・アルツハイマー型認知症病態との関連性を示すことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究成果は学習障害が出現する時期の前後で、OLの機能応答が変容していることを意味しており、アルツハイマー型認知症病態の早い時期でOLの機能が障害されている可能性を示唆する。今後、アデノシン3リン酸のみならず、OL機能を直接操作するため分子機序を同定し、髄鞘の構造変化や神経伝導速度を検証しながら、OLの直接機能制御によって、アルツハイマー型認知症モデルマウスの白質機能および学習機能が改善するのかを検証する予定である。
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