スルファチド分子種の局在解析によってオリゴデンドロサイトの異種性を特徴づける
Project/Area Number |
23K06312
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 48010:Anatomy-related
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
和田 幸恵 (平原幸恵) 関西医科大学, 看護学部, 教授 (70457969)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | オリゴデンドロサイト / スルファチド / 質量顕微鏡 / ブレインマップ / 髄鞘形成 / 中枢神経系 |
Outline of Research at the Start |
近年、オリゴデンドロサイト(OL)のheterogeneityが注目されている。特定のOL種が特徴的な空間局在を示し、また、OL種によって脊髄損傷に対する応答が異なるといったOLに時空間的な特異性が備わっている可能性を示した研究は、OL研究の分岐点に位置づけられるものである。本研究は、脳において報告されている37種のスルファチド分子種をOLマーカーとし、質量顕微鏡を使ったスルファチド分子イメージングを構築し、OLのクラスタリングを試みる。クラスタリングされたOLの性質を解析し「OLの時空間的特異性」にさらなる知見を加えることを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
近年、中枢神経の髄鞘形成細胞であるオリゴデンドロサイト(OL)のheterogeneityが注目されている。特定のOL種(distinct OL populationあるいはlineage)が特徴的な空間局在を呈し、また、OL種によって脊髄損傷に対する応答が異なるといったOLに時空間的な特異性が備わっている可能性を示した研究は、OL研究の分岐点に位置づけられるものである。OLにおいて、硫酸化糖脂質(スルファチド)は分化マーカーとして使われている。申請者は、スルファチドの損傷モデルマウスがOLの成熟異常・ミエリン形成異常を起こして重篤な神経障害を起こすなどスルファチドの生理機能を明らかにする一方、特定のスルファチド分子種がOLの発生過程において時間的空間的に特徴のある発現を示すことを報告してきた。本研究は、今まで脳において報告されている37種のスルファチド分子種をマーカーとし、質量顕微鏡を使ったスルファチド分子イメージングを構築し、OLのクラスタリングを試み、OLの性質を解析し「OLの時空間的特異性」にさらなる知見を加えることを目的とする。本年度は、スルファチド分子種と各脳領域にフォーカスし、スルファチド分子種の分子シグナルのブレインマップを構築することを試みた。正常脳と髄鞘形成に影響がみられるマウスにおいてスルファチド分子種の特異的局在を検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウス正常脳の冠状断面を作成し、主に腹側被蓋野, 前帯状皮質, 前頭眼窩野, 水道周囲灰白質, 縫線核周囲, 小脳核周囲, 小脳皮質などの特定領域の主要なスルファチド分子種分布を解析した。m/z 806.54(セラミド構造: d18:1-C18:0), m/z 888.62 (d18:1-C24:1), m/z 890.63 (d18:1-C24:0), m/z 906.63 (d18:1-C24:0h) の4分子に着目すると、前頭眼窩野では、m/z 806.54> m/z 888.62 >m/z 890.63> m/z 906.63 の順に、小脳皮質ではm/z 890.63> m/z 888.62 > m/z 906.63 > m/z 806.54 の順に含有量に変化を示した。一方で、軸索の束となって貫通する領域水道周囲灰白質などは、分子種の量に差はなかった。これらの分子種の含有量の変化は、領域特異的なOL機能を示唆するものと考える。一方で、髄鞘形成に大きく影響を与えていると報告している母体免疫活性化(MIA)とsocial defeat stress の両方の影響をうけたマウスのスルファチド分子種の構成を正常脳と比較すると、分子種の構成は変化していないが、量的に減少する領域、増加する領域と領域特異性が顕著となった。OLの異なる空間的嗜好性や疾患に対する異なる応答性に何らかのヒントを与える結果がでていると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は4分子の特定領域の局在、含有量に着目したが、さらに調査する分子種の種類を広げ、それぞれの脳領域のマップを作成することに着手する。また、髄鞘形成にダメージを起こしていると想定されるモデルマウス、【脳梗塞モデル】, 【母体免疫活性化(MIA)+social defeat stress マウス】, 【ジンピー突然変異マウス】,【シバラーマウスの疾患マウス】をターゲットにしたスルファチド分子種トレースを行い、オリゴデンドロサイトの空間的嗜好性や疾患に対する異なる応答性との関連性を検索する。常に均質な蒸着を可能とする卓上型マトリクス蒸着装置iMLayerを使い定量精度を大幅に向上させ、高感度かつ高解像度のスルファチド分子種ブレインマッピングを作成する。領域特異的OL母集団の形態学的解析へ続くデータ収集に専念する。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)