肺胞形成機構における血管内皮細胞の本質的役割の解明と再生治療への応用
Project/Area Number |
23K06325
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 48010:Anatomy-related
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
高野 晴子 日本医科大学, 先端医学研究所, 教授 (40532891)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 勝洋 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (10841950)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 肺胞 / 形態形成 / Rap1 / 基底膜 / 筋線維芽細胞 / 機械ストレス / 肺胞形成 / 血管内皮細胞 |
Outline of Research at the Start |
慢性閉塞性肺疾患や線維化肺などの不可逆的に構造破綻した肺への根治療法として、肺胞再生治療が求められているが、確立されていない。この原因の一つに肺胞形成が極めて複雑な現象であり、その機序の多くが未解明である点が挙げられる。申請者らは、内皮特異的Rap1KOマウスが出生後に肺胞形成不全となることを見出し、肺胞形成における内皮細胞の新たな役割を明らかにした。本研究ではRap1経路の上流および下流経路の解明を通じて、肺胞形成において内皮細胞が果たす役割をさらに解明する。また上記解析から明らかになる経路を応用して、肺胞再生治療の共に肺胞再生治療の分子基盤構築に資する研究とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は血管内皮細胞特異的Integrinb1 (Itgb1 ECKO)を用いて、Rap1による肺胞形成の下流シグナルをさらに明らかにした。Itgb1 ECKOは、Rap1 ECKOと酷似した表現型を示し、基底膜形成の抑制によって、これを足場とする肺胞筋線維芽細胞の束化やメカニカルシグナル(YAPの核内移行およびミオシン軽鎖のリン酸化)が抑制、その結果として肺胞の形成が抑制された。さらに、Integrinb1の活性化がRap1によってin vivoにて制御されるかを明らかにするために、Cdh5(VE-Cadherin)-CreERT2マウスとROSA26-mTomato/mGFPマウスとを交配させ、タモキシフェン誘導性に内皮細胞膜をGFPにてラベルした。Rap1 ECKOマウスにて上記システムを適用した結果、内皮細胞膜上でのIntegrinb1の活性化が抑制された。次に基底膜の形成がRap1-Integrinb1経路を介して誘導されるかを明らかにするために、Rap1 ECKOマウスから内皮細胞を採取またはHUVECにてノックダウンし、基底膜成分CollagenIVの蓄積を検出した。Rap1 ECKOでは野生型に比してCollagenIVの蓄積が抑制された。さらに、Rap1欠損によるCollagenIVの蓄積抑制はIntegrinb1の活性化により回復されることが明らかになった。以上のことから、Rap1はIntegrinb1を活性化することで、CollagenIVの蓄積を促進し、基底膜の形成を促し、これを足場とする肺胞筋線維芽細胞のメカニカルアクティベーションが誘導され、肺胞形成に必須である筋線維芽細胞の収縮が誘導されると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度はRap1の下流経路としてIntegrinb1の活性化を見出し、試験管内と生体内にて詳細な機構を解明し、論文(Nat. Commun. 2024 15(11),1622-1622. )として纏めるに至った。また学会や研究会でも本研究成果を存分にアピールすることができたことから、当初の計画以上に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
不可逆的に構造破綻した肺への根治療法として、肺胞再生治療が求められているが、確立されていない。この原因の一つに肺胞形成の機序の多くが未解明である点が挙げられる。申請者らは、血管内皮細胞特異的Rap1ノックアウトマウス(Rap1 ECKO) が、出生後に肺胞形成異常をきたすことを見出したことから、本課題はRap1経路を中心として「血管内皮細胞を基軸とする肺胞形成機構」を解明し、肺胞再生治療の分子基盤を構築することを目的とする。本年度はRap1の下流経路についてIntegrinb1の活性化を見出し、シグナル経路を解明した。そこで来年度はGDP/GTP交換因子(Rap-GEF) の一つであるC3Gに着目して、内皮細胞特異的C3G ECKOを作成して、肺胞形成への影響等について解析を行う予定である。また更なる上流シグナルについても肺伸展刺激などに着目し、実験系の構築を行う予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Endothelial cells regulate alveolar morphogenesis by constructing basement membranes acting as a scaffold for myofibroblasts.2024
Author(s)
Watanabe-Takano H., Kato K., Oguri-Nakamura E., Ishii T., Kobayashi K., Murata T., Tsujikawa K., Miyata T., Kubota Y., Hanada Y., Nishiyama K., Watabe T., F?ssler R., Ishii H., Mochizuki N., Fukuhara S.
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Journal Title
Nature Communications
Volume: 15
Issue: 1
Pages: 1622-1622
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Rap1 small GTPase is essential for maintaining pulmonary endothelial barrier function in mice.2023
Author(s)
Yamamoto K., Watanabe-Takano H., Oguri-Nakamura E., Matsuno H., Horikami D., Ishii T. Ohashi R., Kubota Y., Nishiyama K., Murata T., Mochizuki N., Fukuhara S.
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Journal Title
FASEB J
Volume: 37
Issue: 12
Pages: 1-18
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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