| Project/Area Number |
23K06333
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
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| Section | 一般 |
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| Review Section |
Basic Section 48020:Physiology-related
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| Research Institution | Kitasato University |
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Principal Investigator |
山田 玲 北里大学, 医学部, 教授 (70422970)
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| Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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| Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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| Keywords | 蝸牛神経核 / アストロサイト / 聴覚情報処理 / シナプス伝達 / 音源定位 |
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| Outline of Research at the Start |
本研究はニワトリ蝸牛神経核を対象に、これまで不明であった聴覚情報処理におけるアストロサイトを介した調節機構の役割を明らかにすることを目的とする。予備実験から、アストロサイトが聴神経活動依存的に活性化し、聴神経終末からの小胞放出を減少させるという、シナプス抑制機構の存在が示唆されている。さらに有精卵への電気穿孔法による遺伝子導入技術を活用し、アストロサイトの構造的特徴やシグナル経路の分子実体、さらにはこのシステムがどのような刺激で動作するのかを明らかにした上で、ノックアウト動物を作成し解析することで、神経グリア連関の聴覚回路における機能意義を細胞から個体レベルまで包括的に解明することを目指す。
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| Outline of Annual Research Achievements |
グリア細胞は脳内に豊富に存在し、神経細胞の働きをサポートする役割を担うと考えられている。特にアストロサイトは、神経細胞が情報伝達を行う場であるシナプス構造を取り囲むように存在し、シナプス伝達を修飾することで神経回路機能に積極的に関与することが示唆されてきている。しかしながらその多くは神経障害時の現象であり、正常脳機能における関与は未だ明確になっていないのが現状である。本研究ではトリ蝸牛神経核を対象に、アストロサイトがどのように聴覚情報処理に関わるのかを明らかにすることによって、これまで個体レベルでは明確でなかった、正常脳機能におけるアストロサイトの作用を解明することを目的としている。本年度は主に、これまでの予備実験で得られた結果を確実なものにするための実験を行った。具体的には免疫染色法を用いて、アストロサイト特異的に発現するタンパク質の局在を解析し、アストロサイトが蝸牛神経核内に存在することや、蝸牛神経核細胞と聴神経が形成するシナプス結合を覆うように突起を伸ばしていることを明らかにした。さらに急性スライス標本を用いた電気生理学実験により、聴神経を持続的に刺激するとアストロサイトに発現しているSRCキナーゼ活性を介してシナプス伝達効率が変化することを明らかにした。一方で下記のような事情で遺伝子導入を活用した新たな実験系を導入することができず、実際の聴覚入力によってアストロサイトの活性を評価するような実験は次年度以降に行うこととした。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2023年1月より北里大学医学部に異動したため、今年度は研究室の立ち上げを行う必要があった。特に実験機器の移設や研究計画の承認手続きなどに時間を要したため、遺伝子導入を活用した新たな実験系を新規に導入することは難しかった。このような理由から当初予定していた実験の一部は行うことができず、上記のような自己評価とした。一方で今年度は、主に申請段階で行った予備研究において示唆された結果を確実なものにする実験を行い、次年度以降に研究を発展させていく準備は十分に行えたと考える。
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| Strategy for Future Research Activity |
現在、遺伝子組み換え実験を行うための準備を進めており、今後は電気穿孔法によってニワトリ胚に遺伝子導入を行う手法を積極的に活用することで効率的に実験を行う予定である。具体的にはアストロサイト特異的に蛍光色素を発現させることで、蝸牛神経核において神経細胞とシナプス前終末及びアストロサイトの三つ組構造の詳細を明らかにする。また、アストロサイト特異的にカルシウム指示薬であるGCaMP6を発現させることで、聴神経活動に応じてアストロサイトが活性化することを直接明らかにするとともに、活性化経路に関わる分子を薬理学的に探索する。将来的にはin vivo実験において、動物個体に生理的な音刺激を与えながらアストロサイトの活動をモニターすることで、このようなシナプス修飾機構の生理的意義を明らかにする実験につなげていく予定である。
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