Project/Area Number |
23K06397
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49010:Pathological biochemistry-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 雅哉 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (30722665)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 基之 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (90518945)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 細胞外小胞 / NAFLD |
Outline of Research at the Start |
本研究では既存の臨床パラメーターに肝細胞由来の血中細胞外小胞の情報を加えて機械学習を走らせることにより、NAFLDからの肝発癌高危険群を効率的に同定する。検討対象は、臨床パラメーターが付随する血清保管済みのコホート(本研究は、癌の存在診断ではなく「発癌高危険群」の同定のために、1500人の患者(肝がん患者500人、対照となる同時期の性・年齢をマッチさせた非肝がん患者1000人)の「肝癌診断1年前の血清」を用いる)を、テストコホートと検証コホートに分けて評価し、ROCを描いてAUCを算出のうえ評価する。
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Outline of Annual Research Achievements |
NASH/NAFLDを背景とした肝癌の臨床現場では、患者数の多い「肝線維化がまだ進んでいないNAFLD症例」から発生する肝癌のスクリーニング方法が確立されておらず、臨床的に大きな問題となっている。これまで肝癌の臨床に従事する傍ら、機械学習を用いて多種類の臨床パラメーターから感度良く肝癌を検知するアルゴリズムを島津製作所と共同で開発してきた経験を背景として、本研究では「非線維化NAFLD由来の肝癌高危険群の囲い込み」に焦点を絞り、肝細胞膜の状態を反映していると考えられる血清中の細胞外小胞の情報と各種臨床的パラメーターを組み合わせた深層学習による肝癌高危険群の囲い込みをめざしている。本研究の特徴は、血中の細胞外小胞をバルクで観察するのではなく、よりNAFLDの状態を反映している肝細胞由来の小胞のみを単離して特徴を解析する点である。そのうえで、既存の臨床因子と合わせた機械学習を通じて、肝癌高危険群の検知に最適なアルゴリズムを樹立する。「血中細胞外小胞の由来臓器特異的サブセットの単離に基づく研究」と「深層学習を用いた疾患感知アルゴリズム研究」の両者を融合し、新規知見の獲得と臨床への貢献をめざしている点である。 本年度は、NASH患者の血清から肝由来の細胞外小胞を単離するべく、特異的マーカーの同定をデータベースを用いて行い、さらにその発現状況を細胞染色やRT-PCRによって確認して特異的マーカーとして用いうることを確認した。これらの結果から、今後は肝疾患患者の血清から肝細胞由来と思われる細胞外小胞のみを単離して、実際の状況を検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肝臓由来の細胞外小胞を特異的に単離し、その特徴を検討することで肝病態、特にNAFLD関連肝発癌の高危険群を反映するパラメーターを探索し、機械学習と組み合わせた応用をめざしているが、本年度は、血清中の細胞外小胞を一括で解析するのではなく、肝細胞由来のサブセットを単離して肝病態を反映する特徴を検索する点で進捗があったので、おおむね良好に進捗していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の成果をもとにして、今後は、細胞外小胞の内容物を検索するのではなく、NASHという病態に基づく肝細胞膜の脂質・蛋白組成変化の特徴を、細胞外小胞をサロゲートマーカーとして検出する。特に、肝癌自体をとらえるのではなく「発癌高危険群の囲い込み」を試みる目的で、臨床的なパラメータを含めてdeep learning の手法と合わせた検討をしていく。
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