Project/Area Number |
23K06400
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49010:Pathological biochemistry-related
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
大谷 淳二 神戸大学, 医学研究科, 助教 (10770878)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西尾 美希 神戸大学, 医学研究科, 講師 (10467897)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | Hippo経路 |
Outline of Research at the Start |
Hippo-YAP経路は、強力なドライバー経路であるものの、その制御機構は未だ不明な点が多く、この経路を標的とする優れた抗癌剤はまだない。本研究では、全ゲノムsiRNAライブラリー、低分子化合物ライブラリーを用いたスクリーニングにより得られたヒット遺伝子、化合物の作用機構を解明し、新規のYAP転写複合体制御機構を提示するとともに、これを標的とした阻害剤探索を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
多種類のがんで転写共役因子YAP/TAZの異常な活性化が認められ、その活性を抑制するHippo経路の構成因子欠損マウスにおいて、種々のがんが早期から高率に発症することから、Hippo-YAP経路のがんの発症、進展における役割に注目が集まっている。本研究では、ゲノムワイドsiRNAスクリーニングにより、YAP依存的な遺伝子転写活性に強力に作用する薬剤標的分子を同定し、YAP活性を標的とした抗腫瘍薬の開発に貢献することを目指している。 YAPによる遺伝子転写の活性を感度良くモニターするレポーター細胞を用いて、ヒト全遺伝子に対するsiRNAライブラリーを用いたスクリーニングを行った。このスクリーニングにおいて、配列特異的RNA結合ドメインを持ち、mRNAの分解、翻訳抑制に働く蛋白質であるRNABPのノックダウンにより、最も強くYAPによる遺伝子転写活性が抑制された。CRISPR/Cas9を用いてRNABPを欠損させた細胞株では、YAP依存的な遺伝子転写が顕著に不活化され、RNABPの過剰発現により、YAP依存的な遺伝子転写が活性化した。ヌードマウスを用いたin vivoでの腫瘍形成実験において、RNABPの過剰発現は腫瘍形成を促進し、RNABPの欠失により腫瘍形成が阻害されたことから、生体内での腫瘍形成にRNABPが寄与することが明らかになった。また、RNABPのYAP活性抑制機構として、RNABPが、YAP抑制因子であるVGLL4の発現を抑制し、YAPを活性化していることを明らかにした。組換え蛋白質を用いたRNABP-RNA結合可視化系確立し、結合阻害剤のスクリーニングを行なっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
RNABPによるYAP活性制御の分子機構について、YAP活性の制御に重要なRNABPの抑制標的遺伝子としてVGLL4の同定に成功し、YAP転写活性への寄与を、ノックアウト細胞株を作成することで明らかにした。さらに、VGLL4と協調して他の転写コリプレッサーがVGLL4によるYAP下流の転写抑制に必要であることを明らかにすることができた。また、RNABPのRNA結合ドメインと基質RNAの結合阻害剤のスクリーニングに着手できたことから、おおむね順調であるとした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、RNABP-標的RNA間の結合阻害剤の探索を進め、RNABPを標的としたYAP活性阻害剤を開発する。また、RNABPを過剰発現するトランスジェニックマウスを作成し、マウスの肝臓における過形成、腫瘍形成の有無を検討することを予定している。
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