Project/Area Number |
23K06460
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49020:Human pathology-related
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
原田 憲一 金沢大学, 医学系, 教授 (30283112)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 原発性胆汁性胆管炎 / 治療不応 |
Outline of Research at the Start |
原発性胆汁性胆管炎(PBC)は慢性非化膿性破壊性胆管炎(CNSDC)を代表とする胆管炎を中心に病態が研究されてきたが、本研究では治療不応性の予後不良症例に特化した解析を行う。特に、我々が近年見いだしたPBC胆管におけるネクロプトーシスの存在、IFN環境で発現するIndoleamine 2,3-dioxygenase-1(IDO-1)の発現、また治療不応例の組織学的評価にて見いだされた肝炎性変化と胆汁うっ滞性変化の病態について注目し、ヒト肝組織および培養胆管細胞を用いた検討にて、治療不応例PBCの病態解析と新規治療戦略に関する基礎的データを得る。
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Outline of Annual Research Achievements |
原発性胆汁性胆管炎(PBC)の約20%は現行の薬物治療に不応性であり、このような不応症例は若年女性に多く、非硬変状態で肝不全にいたる症例が多い。従来からPBCは慢性非化膿性破壊性胆管炎(CNSDC)を代表とする胆管炎を中心に病態が研究され、胆管炎周囲におけるサイトカイン環境や自己反応性T細胞をエフェクター細胞とする胆管細胞アポトーシスが胆管消失の機序として報告されてきた。しかし、アポトーシス誘導と胆管炎の関連および治療不応症例の組織学的特徴や病態は不明であり、特に治療不応な予後不良症例に対する新規治療法の開発は急務である。本研究では、PBC胆管におけるネクロプトーシスの解析、IFN環境で発現するIndoleamine 2,3-dioxygenase-1(IDO-1)の発現、また治療不応例の組織学的評価にて見いだされた肝炎性変化と胆汁うっ滞性変化の病態について注目し、ヒト肝組織および培養胆管細胞を用いた検討にて、治療不応例PBCの病態解析と新規治療戦略に関する基礎的データを得ることを目的とする。本年度は、まず後視的解析として北陸基幹病院で肝生検されたPBC肝組織25症例を収集しえた。PBCの病期および活動度の評価を行い、現在 治療効果を含めた予後不良症例の選定を行っている。また、胆管を含めた肝組織内でのIDO-1の発現、またネクロプトーシス関連分子であるreceptor interacting protein kinase 3(RIPK3), activating Transcription Factor 3(ATF3)の免疫染色も施行し、小葉間胆管を中心とした胆管細胞およびインターフェイス肝炎部の肝細胞における発現を確認できた。また次年度のin vitro研究に供するべく、ヒト胆管のオルガノイドの作成を準備し始めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の検討課題として、PBC肝組織の収集は順調に進んでおり、得られた検体についてはPBCの病期および活動度の評価、またネクロプトーシス関連分子の免疫染色も終えている。まだ症例数については十分ではないが、現在のところ予定通りに研究が遂行されていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度では、引き続きPBCの肝組織を収集し、また治療効果に関する臨床情報も順次入手し、治療不応性症例を確保していく。また新たな検討課題として、ヒト胆管細胞を用いたin vitroの検討を開始する。当初、ヒト培養胆管細胞を使用する予定であったが、一部実験方法を変更し、よりin vivo状態を反映するオルガノイドの作成を開始し、本研究に供することが出来る予定である。この胆管オルガノイドを用いて、ネクロプトーシスの誘導は既報に基づき、TNF-α, Fas(CD95), TRAIL, Toll様受容体リガンド(PAMPs)にてアポトーシス/ネクロプトーシスを誘導し、RIPK1およびRIPK3リン酸化, MLKL分子の発現をもとに、どの誘導が胆管細胞ネクロプトーシスを誘導しているか確認する。またこの実験系においてIFN環境がどのように関与するも検討する。肝細胞に関しては、ヒト培養正常肝細胞(Fa2N-4 immortalized Human hepatocytes, XenoTech社)を使用する。ネクロプトーシス誘導が確認された系を用いて、炎症の誘導に関連する HMGB-1 (high mobility group Box-1 protein), IL-33, IL-1αなどのdamage associated molecular patterns(DAMPs)の発現誘導および細胞外放出を検討する。また、AMAの主要対応抗原であるピルピン酸脱水素酵素E2コンポーネント(PDC-E2)等の自己抗原の保持残存についてウエスタン法にて確認する予定である。
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