Project/Area Number |
23K06483
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49030:Experimental pathology-related
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
濱生 こずえ 広島大学, 統合生命科学研究科(理), 准教授 (10403578)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千原 崇裕 広島大学, 統合生命科学研究科(理), 教授 (00431891)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | ダイナミン / 微小管動態 / 神経疾患 / 微小管 / 末梢神経疾患 |
Outline of Research at the Start |
微小管の動態制御は神経機能において重要であり,その制御破綻は様々な神経疾患の発症・病態に関与することが報告されているが,その分子機構には不明な点が多い。本研究は,神経細胞におけるダイナミン-2を中心とした微小管動態の制御機構を明らかにし,神経疾患の発祥機構を解明することを目的とする。そのために,神経疾患由来の機能変異ダイナミン-2とその相互作用因子の機能解析をショウジョウバエ個体や哺乳類培養細胞を用いて行い,ダイナミン-2による微小管動態制御の分子機構を解明する。本研究から,ダイナミン-2,および機構分子を指標とした神経疾患診断法やその機能を制御する治療法開発への応用展開が期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、神経細胞におけるダイナミン-2を中心とした微小管動態の制御機構を明らかにし,神経疾患の発症機構を解明することを目的としている。2023年度は、『ダイナミン-2とPatronin/CAMSAPの相互作用解析』と『微小管動態制御のショウジョウバエ個体における解析』を試みた。 『ダイナミン-2とPatronin/CAMSAPの相互作用解析』 ダイナミン-2とCAMSAPの相互作用を調べるために,HeLa細胞抽出液からダイナミン-2抗体を用いた免疫沈降を行った。CAMSAP2はダイナミン-2と共沈していなかったことから,ダイナミン-2とCAMSAP2は複合体を形成しない可能性が示唆された。 『微小管動態制御のショウジョウバエ個体における解析』 ダイナミン-2変異(555Δ3)を導入した疾患モデルショウジョウバエ(shi549Δ3変異体)で,神経疾患の症状である運動能の低下や神経の形態異常を調査した。shi549Δ3ヘミ変異体(雄)の幼虫の這いずり運動がコントロール系統と比較して優位に低下していた。また,shi549Δ3変異体成虫の登攀能力を調査した結果,shi549Δ3ホモ変異体(雌)とヘミ変異体(雄)の両方が登攀能力の顕著な低下を示した。shi549Δ3の神経への影響を調査するために,shi549Δ3ヘミ変異体(雄)幼虫の神経筋接合部(NMJ)の形態を観察した結果,軸索の分枝数やサテライトブートンを含む総ブートン数が増加していた。さらに,NMJの微小管の状態を調査した結果,安定化微小管マーカーのFutschはコントロール系統のブートン内でLoop状に存在しているが,shi549Δ3ヘミ変異体(雄)のブートン内では分散していた。以上の結果から,shi549Δ3変異体は,神経筋接合部で安定化微小管の異常により,運動の低下を引き起こす可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
『ダイナミン-2とPatronin/CAMSAPの相互作用解析』において,CAMSAP2の大腸菌での発現と精製に苦労したが,哺乳類培養細胞で発現させるという解決策で現在精製を試みている。2024年度にin vitro相互作用実験を遂行する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
『ダイナミン-2とPatronin/CAMSAPの相互作用解析』 2023年度に解析途中であったダイナミン-2とCAMSAP2の相互作用解析を引き続き遂行する。具体的には、CAMSAP2を哺乳類培養細胞で発現させ,精製する。チューブリンをin vitroで重合させ,そこへダイナミン-2,あるいはCAMSAP2,または両方を加えたときの微小管ダイナミクスを解析する。HeLa細胞を用いて,ダイナミン-(555Δ3)によるCAMSAPの局在,および微小管ダイナミクスへの影響を調査する。 『微小管動態制御の神経細胞における機能解析』 NGFにより分化誘導可能な PC12細胞やジブチリル cAMP により分化誘導可能なNS20Y 細胞を用いて,神経細胞における変異ダイナミン-2の機能を解明する。ダイナミン-2やPatronin/CAMSAPの発現抑制や過剰発現を組み合わせて行い,分化誘導後の神経突起形成への影響(長さ,分岐数)を解析する。さらに,蛍光チューブリンのライブイメージングにより,微小管動態を解析する。
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