Project/Area Number |
23K06485
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49030:Experimental pathology-related
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
伊藤 雅彦 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (70270486)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2026: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | Tight Junction / TJP1/ZO-1 / TJP2/ZO-2 / PFIC / 上皮組織バリア / 遺伝性肝内胆汁うっ滞症 |
Outline of Research at the Start |
進行性家族性肝内胆汁うっ滞症PFIC4のモデルとなる可能性を念頭に申請者が作製に取り組んできた肝臓特異的TJP2/ZO-2およびTJP1/ZO-1ノックアウトマウスを解析することにより、肝臓の機能と結びつけながらこれら分子が具体的に担っている働き、欠失が臓器に及ぼす影響を明らかにする。さらに、PFIC4患者肝のデータとの比較検討、正常ヒトおよび患者由来iPS細胞から誘導した肝細胞を用いた解析から、疾患プロセスのモデル化と治療法の開発につなげていく。
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Outline of Annual Research Achievements |
肝臓は代謝調節の中心的臓器であり、洞様毛細血管中の栄養素や生体外物質は、肝細胞基底膜領域から細胞内に取り込まれて代謝や解毒された後、多くの生成物が頂端膜領域から毛細胆管へと排出される。このような方向性を持った物質代謝を可能にする重要な要素が、各種トランスポーターの偏った細胞内分布を支える細胞極性や、細胞間を通じた物質移動を制御するTight Junctionであり、肝細胞バリアとして機能している。研究代表者は、単離毛細胆管構造からTJP2/ZO-2、TJP1/ZO-1などTight Junction構成分子を多数同定し、TJP2/ZO-2やTJP1/ZO-1がTight Junctionの形成調節に働くことを明らかにしてきた。しかし、臓器レベルにおけるそれら分子の生理的機能については現在も未解明の点が多く残されている。 様々な肝疾患が存在する中、進行性家族性肝内胆汁うっ滞症(PFIC)は乳児期に始まり、重度の胆汁うっ滞、黄疸、成長不全を特徴とする一群の遺伝性疾患である。これまで複数のPFIC原因遺伝子が同定されているが、PFIC4の原因遺伝子がTJP2/ZO-2であることが明らかにされた。しかし具体的な疾患機序は不明であり、患者の多くが肝移植なしには小児期を超えて生存困難なことから、詳細な機序の解明と治療法開発の進展が望まれている。そこで、肝臓特異的TJP2/ZO-2欠損マウスを作製したところ、変異マウスは若齢期6週齢までにはPFIC4患者のような肝障害を生じなかった。次いで、類似分子TJP1/ZO-1を同時に欠損するDKOマウスを作製したところ、今度は生化学的・組織学的にPFIC4患者と類似した病態を示し、6週齢までに死亡することが明らかになった。本研究では変異マウスの詳細な分析を中心として、PFIC4の病態機序を解明し、病態を変化させる手法の探索を目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
マウス肝臓サンプルのトランスクリプトーム解析、メタボローム解析を外部委託にて進めている。一方で、肝細胞におけるTight JunctionおよびTJP1/ZO-1やTJP2/ZO-2分子の働きをin vitroで解析するための系として、ヒト肝細胞株HepG2の活用を進めることにした。CRISPR-Cas9システムを利用し、TJP1/ZO-1ノックアウトHepG2、TJP2/ZO-2ノックアウトHepG2細胞、および両分子の同時ノックアウトHepG2の作製を試みた。まず、pSpCas9(BB)-2A-PuroベクターにヒトTJP1/ZO-1およびTJP2/ZO-2用のsgRNAを各々3種類組み込み、予備実験としてノックアウト効果の高いsgRNA の選別を行った。次いで、ノックアウト細胞を樹立するため、ベクターをリポフェクションによってHepG2に導入した後にpuromycinによる処理を48時間行った。これにより、ベクター導入細胞の選別が可能になる。続いて、puromycin非存在化で約2週間培養し、形成された細胞コロニーを一つずつピックアップした。細胞を保存用と解析用に分けたのち、解析用の細胞からタンパク質を抽出してウエスタンブロッティングによるスクリーニングを行った。結果として、複数のTJP1/ZO-1ノックアウトHepG2、TJP2/ZO-2ノックアウトHepG2、TJP1/ZO-1&TJP2/ZO-2ノックアウトHepG2を樹立することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、ノックアウトHepG2細胞を純化するため、限界希釈法によって細胞を96穴プレートに播種し、リクローニングを行う。得られた純化ノックアウトHepG2細胞を用いて、TJP1/ZO-1やTJP2/ZO-2以外のTight Junction分子の発現や局在について解析する。ノックアウトマウスで変化が起きていたトランスポーターについても、同様に発現や局在について解析する。さらに、マウス肝臓のトランスクリプトーム解析から得られるデータを基に、ノックアウトHepG2細胞でも同じ分子変化が起きているかどうか検討を加える。 in vitroの解析結果と、マウス肝臓サンプルのトランスクリプトーム解析、メタボローム解析の結果から、TJP1/ZO-1およびTJP2/ZO-2の欠損によって肝細胞で活性化が起きている経路と抑制化が起きている経路を明らかにし、前者に関しては阻害剤などの抑制因子を、後者に関しては活性化因子を、DKOマウスに投与し、体重、寿命、血液生化学解析や組織解析から症状の軽減効果の有無について検証する。単独因子で効果が認められない場合、複数因子の同時投与を試みる。
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