Project/Area Number |
23K06486
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49030:Experimental pathology-related
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
加藤 琢哉 北里大学, 医学部, 講師 (00551970)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 細胞競合 / Connexin 43 |
Outline of Research at the Start |
生体内で発生する癌原性の変異細胞は様々な方法で排除されることで組織や個体の恒常性が確保されている。特に上皮では周囲の正常細胞が変異細胞を間質との境界から押し出すことで排除することが報告されている。変異細胞がこの排除機構を克服して浸潤性の癌へと進展するためには、上皮-間質の境界に残留するための機構が必要と考えられるが、その様な現象を支える分子メカニズムは未解明な点が多い。申請者らは過去の研究で、Connexin 43 (CX43)分子の発現が癌細胞の上皮-間質境界からの排除に関与することを見出した。本研究ではCX43がどの様な分子機構を介して細胞の排除を行うのかを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
当初の研究計画に従ってCX43のノックアウト(KO)によって細胞内の量が変化する低分子量の分子を探索した。検討した分子(ATP, glucose, lactate)の内、ATPとglucoseがCX43KO細胞内で減少していることを見出した。このことから、CX43の発現濃霧によってATPやglucoseの量に差ができることで細胞競合が起こるか否かが決定されているものと考えた。そこで、HaCaT細胞と癌細胞の三次元共培養系において、ATPとglucoseを外部から供給してやることで細胞競合に変化が出るかどうかを検討したところ、本来HaCaT細胞に押し出されないはずのCX43KO細胞が低濃度(10μM)のATP処理によって押し出されるようになることが明らかになった。一方で高濃度(100μM)のATPで処理するとまたCX43KO細胞が押し出されなくなった。このことから、正常細胞と癌細胞の細胞競合ではATP濃度に依存して複雑なシグナルの制御がなされているものと考えられた。そのため、低濃度および高濃度のATPで刺激した際に細胞内のシグナルにどう影響が出るのかを検討したところ、WT, CX43KO共に癌細胞では濃度に関係なくATP刺激によって細胞内のAKTの活性化が見られるが、HaCaT細胞では高濃度のATP刺激によってのみAKTの活性化が観察された。このことは、低濃度のATP刺激ではWT, CX43KO共に正常細胞との間にAKTの活性に差が出るが、高濃度のATP刺激ではその差が失われることを示しており、このAKT活性の差の有無が細胞競合の有無につながるのではないかと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた、CX43がどのような分子の輸送によって癌細胞の細胞層内における細胞競合を制御しているかという問いにはATPの関与を示すことで一定の解答を得たと考えている。また、ATPの添加によって癌細胞の動態を制御できることを示すなど、想定していた成果以外の結果を得ることができており、次年度以降の研究の進展に資する発見があったと考えたため。
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Strategy for Future Research Activity |
AKTの阻害剤や活性化剤、あるいはsiRNA等を用いて生理的なAKT活性化を乱すことで今年度見出したATP刺激によるAKT活性化の差が実際に細胞競合の有無につながるかどうかを検討する。また、その際にAKT活性に差がある細胞間で細胞内にどのような違いが生じるか、具体的にはアクチンやミオシンといった細胞骨格に着目して検討を進める。
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