Project/Area Number |
23K06550
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49050:Bacteriology-related
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
切替 照雄 順天堂大学, 医学部, 特任教授 (50192563)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大城 聡 順天堂大学, 医学部, 特任助教 (80766379)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 多剤耐性緑膿菌 / VI型分泌装置 / エフェクター / 緑膿菌 / 薬剤耐性 / カイコ |
Outline of Research at the Start |
多剤耐性緑膿菌はカルバペネム、フルオロキノロン及びアミノグリコシドに耐性を示し、院内感染起因菌として伝播拡大し、地球規模で医療安全を脅かしている。また、独自の病原因子を用いて生存競争の中で有利な環境を確保してきた。本研究では、VI型分泌装置のエフェクターが多剤耐性緑膿菌の宿主病原因子であるという仮説を実証する。VI型分泌装置はニードル状の構造で、他の細菌や宿主細胞に病原因子(エフェクター)を注入し、溶菌及び細胞傷害活性を誘導する。本研究では各国から収集した多剤耐性緑膿菌のVI型分泌装置エフェクターの分子疫学からその多様性を明らかにし、変異株を用いてカイコ感染実験によりその病原性を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
多剤耐性緑膿菌はカルバペネム、フルオロキノロン及びアミノグリコシドに耐性を示し、院内感染起因菌として伝播拡大し、地球規模で医療安全を脅かしている。多剤耐性緑膿菌は独自の病原因子を用いて生存競争の中で有利な環境を確保してきたがそのメカニズムは明らかになっていない。細菌は他の細菌や宿主細胞に病原因子(エフェクター)を注入し、溶菌及び細胞傷害活性を誘導する。緑膿菌はVI型分泌装置を保有していると考えられており、そのニードル状の構造で、他の細緑膿菌の宿主細胞にエフェクターを注入して対象を死滅させるが、多剤耐性緑膿菌の病原性とエフェクターとの関係は明らかになっていない。本研究ではVI型分泌装置およびそのエフェクターに着目し、各国から収集した多剤耐性緑膿菌のVI型分泌装置エフェクターの分子疫学からその多様性を明らかにすると共に、変異株を用いてカイコ感染実験によりその病原性を明らかにすることを目的とする。 カイコ感染実験を用いた病原性評価では、多剤耐性緑膿菌MyJU514及びNCGM2.S1株は他のPseudomonas属と比較して非常に強い病原性を有していること、多剤耐性緑膿菌JUPA4090株は他の多剤耐性緑膿菌株と比較して100倍以上病原性が低下していることが分かった。多剤耐性緑膿菌MyJU514及びNCGM2. S1株はVI型分泌装置のH2型エフェクターVgrG2a、PldA及びPldBを保有していた。一方、JUPA4090株ではVI型分泌装置のH2型エフェクターPldAが欠損していた。これらの結果から、H2型エフェクターが多剤耐性緑膿菌の病原性に関与していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、緑膿菌野生株と多剤耐性緑膿菌NCGM2.S1株のゲノムライブラリーを調整し、大腸菌にクローニングしている。随時、カイコに接種し、カイコ病原性を確認している。
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Strategy for Future Research Activity |
多剤耐性臨床分離株の病原性はカイコ感染実験を用いて評価する。病原性の強弱とVI型分泌装置の構造やエフェクターの種類を比較することでこれらの病原性を推定する。病原性に関わる遺伝子はPAO1を基に遺伝子改変株を作製し、その病原性をカイコおよびマウス感染実験モデルを用いて病原性を確認する。 次年度以降は①VI型分泌装置のゲノム構造に基づく分子疫学を実施し、多剤耐性緑膿菌臨床分離株300株のVI型分泌装置・エフェクターのゲノムを比較する。②VI型分泌装置エフェクター多様性解析を実施し、H2およびH3ローカス内のエフェクター遺伝子を決定する。③VI型分泌装置・エフェクターの病原性・機能解析を実施し、VI型分泌装置・エフェクターを持つ株の病原性をカイコ感染実験モデルにて評価する。前年度に特定した高病原性株のエフェクター遺伝子を導入した遺伝子改変株(PAO1由来)を作製し、カイコ感染実験モデル及びマウス肺感染実験モデルにて病原性を評価する。
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