腸炎ビブリオのシデロフォア生合成酵素の機能解明:新規細菌増殖抑制剤の開発に向けて
Project/Area Number |
23K06555
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49050:Bacteriology-related
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Research Institution | Matsuyama University |
Principal Investigator |
田邊 知孝 松山大学, 薬学部, 准教授 (60532786)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
友尾 幸司 大阪医科薬科大学, 薬学部, 准教授 (70257898)
見留 英路 松山大学, 薬学部, 准教授 (00266892)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 腸炎ビブリオ / シデロフォア / 生合成酵素 / Vibrioferrin |
Outline of Research at the Start |
近年、多剤耐性菌が社会問題となっていることから新たな抗生剤の開発が待たれている。病原細菌のシデロフォア利用系を標的とした細菌増殖抑制剤は新規機構の抗生剤候補として有用と考えられている。研究代表者らはこれまでに腸炎ビブリオのシデロフォアであるvibrioferrinの生合成遺伝子(pvsA/B/D/E)について解析をしてきた。本研究ではPvsA/B/D/Eタンパク質の機能及び構造解析を行い、シデロフォア合成酵素を標的とする細菌増殖抑制剤の開発のための知見獲得に繋げたい。
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Outline of Annual Research Achievements |
多くの病原細菌は鉄制限下である自然環境中や宿主内で鉄を獲得するために、シデロフォア(微生物が分泌する三価鉄キレート分子の総称)を介する鉄獲得機構を有している。本年度は腸炎ビブリオが産生するシデロフォアであるvibrioferrin(VF)の生合成機構について以下のことを明らかにした。 1)VF生合成経路の解明:2-ケトグルタル酸(KG)、L-アラニン(Ala)、2-アミノエタノール(AE)、クエン酸(CA)の脱水縮合体であるVFは、PvsABDEの4種の酵素から生合成されることを、精製酵素を用いた解析から明らかにした。また、VF生合成反応は、(ⅰ)PvsDによるCAとL-セリン(Ser)とのエステル化反応を経たO-citrylserine(Ser-CA)の生成、(ⅱ)PvsEによるSer-CAからO-citrylaminoethanol(AE-CA)への脱炭酸反応、(ⅲ)PvsAによるAE-CAとAlaとのアミド化反応を経たalanyl-O-citrylaminoethanol(Ala-AE-CA)の生成、(ⅳ)PvsBによるAla-AE-CAとKGとのアミド化反応を経たVFの生成、の順番で起こることが分かった。 2)VF反応中間体の化学合成:PvsABDEの各タンパク質の酵素学的解析に必要なVF中間体であるSer-CA、AE-CAおよびAla-AE-CAの化学合成を行った結果、立体異性体混合物としてではあるがこれら中間体の合成ができた。 3)PvsABDE各タンパク質の結晶化条件の検討:各タンパク質をHis-tag融合タンパク質として精製・濃縮後、動的光散乱法によって試料の均一性を確認し、数種の結晶化条件検索キットを用いて蒸気拡散平衡法によるスクリーニングを行った。その結果、PvsAについてのみ結晶化条件を最適化することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
精製PvsABDEタンパク質を用いた解析によりVF生合成経路を明らかにし、その研究結果を国際学術論文として報告できたことは大きな成果だと考えている。また、当初の予定通り、VF中間体の化学合成やタンパク質の結晶化条件の検討も進んでおり、今後の研究の進展が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
VF生合成酵素であるPvsABDEのうち、結晶化条件の最適化ができているPvsAについて重点的に酵素学的解析および結晶構造解析を行う。 1)PvsABDEの酵素学的解析:PvsAの酵素学的解析を中心に進めていく。PvsAは、基質であるL-AlaをATPを利用したリン酸化により活性化してADPを生じる反応を触媒すると考えられるため、ADP量を測定することでPvsAの酵素活性を調べる。また、PvsAはリン酸化L-AlaとAE-CAとのアミド結合も触媒すると考えられる。AE-CAの化学合成品は現在立体異性体混合物として得られていることから、PvsA酵素活性測定の基質として用いるためにAE-CAの光学分割を行う。 2)PvsBDEタンパク質の結晶化条件の検討:引き続きPvsBDEタンパク質を精製・濃縮したのち、それらの結晶化条件を蒸気拡散平衡法でスクリーニングする。 3)PvsAタンパク質の結晶構造解析:PvsAの結晶を用いてX線回折強度測定を行い、得られたデータから分子置換法により初期構造を決定し、構造精密化により高分解能な立体構造を決定する。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)