Project/Area Number |
23K06561
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49060:Virology-related
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
門出 和精 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (70516137)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | HERV-K / レトロトランスポゾン / SOX / 内在性レトロウイルス / SOX2 / 制御因子 / ZAP |
Outline of Research at the Start |
ヒト内在性レトロウイルス(HERVs)は宿主との長い共存関係の中で本来の機能を消失し、化石化したと考えられてきた。申請者は、初期胚発生の過程でSOX2により活性化したHERV-Kは、ゲノムを転移することを提唱した。そこで、本研究では、 計画1 HERV-Kゲノム転移制御因子の同定 計画2 制御因子による外来性レトロウイルスへの増殖抑制効果の解析 計画3 制御因子によるレトロウイルスの内在化機構の解明 を実施する(図1、学術的問い)。制御因子によるレトロウイルス内在化の歴史を紐解くことで、自然治癒が困難な外来性レトロウイルスを、内在化へと導くための新たな概念を提唱する。
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Outline of Annual Research Achievements |
ヒト内在性レトロウイルス(HERVs)は宿主との長い共存関係の中で本来の機能を消失し、化石化したと考えられてきた。申請者は、初期胚発生の過程でSOX2により活性化したHERV-Kは、ゲノムを転移することを提唱した。そこで、本研究では、HERV-Kゲノム転移制御因子の同定(計画1)、制御因子による外来性レトロウイルスへの増殖抑制効果の解析(計画2)、制御因子によるレトロウイルスの内在化機構の解明(計画3)を実施する。制御因子によるレトロウイルス内在化の歴史を紐解くことで、自然治癒が困難な外来性レトロウイルスを、内在化へと導くための新たな概念を提唱する。 レトロウイルスの内在化機構の解明については、HERV-Kに限らず、HIV-1にもレトロトランスポゾン様の複製機構が存在することが新たにわかった。その複製には、HIV-1のpol遺伝子だけでなく、gag遺伝子が必須であったが、env遺伝子は必要ないということがわかった。env遺伝子が必要ないことから、ウイルス産生細胞内で逆転写やインテグレーションが成立することが示唆されたが、その詳しい機序解明については今後の課題である。本研究は、Oxford大学とのシンポジウム、Cold spring harbor meeting国際学会で口頭発表に選考されている。一方、HERV-Kの転写活性化にはSOX2転写因子だけでなく、他のSOX転写因子も寄与することが新たにわかった。この詳しい機序解明も次年度に遂行する。本研究課題の骨子である制御因子の探索についても次年度に継続して遂行する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今回、発見したHIV-1のレトロトランスポゾン様複製機構については、New Yorkで開催された国際学会で口頭発表に選考されており、論文投稿の準備段階に入っている。当初の本研究課題の計画とは少し異なるが、レトロウイルスの内在化機構とレトロトランスポゾン機構の関連性について仮説を考えていることから、非常に興味深い知見となることが期待される。 また、SOX2だけでなく、他のSOX転写因子も同様に、HERV-Kを活性化することが新たにわかった。本研究も今年度に論文投稿することを目標に仕事を遂行している段階である。SOXは様々なガン細胞に発現し、ガンの進行度に関係することで注目されていることから、ガンとHERV-Kの因果関係解明にも繋がることが期待される。 また、Oxford大学との共同研究にも展開しており、CELLO-seqによるHERV-Kの網羅的解析技術が飛躍的に進展することが期待される。 制御因子探索については、予定よりも研究が遅れているが、上述した内容と並行して遂行し、研究期間内に完了できるように尽力する。
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Strategy for Future Research Activity |
レトロウイルスの内在化機構解明のために遂行している、HIV-1のレトロトランスポゾン様複製機構解明については、HIV-1の宿主細胞であるT細胞や、マクロファージ細胞でも再現性がでるかについて検証を行う。その結果をまとめ、論文投稿までを目標とする。 SOX2以外のSOXによるHERV-K転写活性化機構については、SOX発現細胞にて、ウイルス粒子が放出されているかについて、分子生物学実験と電子顕微鏡観察にて証明し、論文投稿までを目標とする。 さらに、Oxford大学のJane McKeating先生、Rebecca Berrens先生と提携し、Single cell long-read sequencingを使ったHERV-Kの解析プラットフォームを確立することを目標とする。 ZAPによるHERV-Kのレトロトランスポジション制御についても解析を進め、当初の計画を達成できるように尽力する。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)