Project/Area Number |
23K06573
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49060:Virology-related
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
鈴木 達也 順天堂大学, 医学部, 助教 (10837272)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | フラビウイルス / 蚊 / 唾液 / 自然免疫 / 唾液腺 / 病原性 / ウイルス学 |
Outline of Research at the Start |
蚊媒介性ウイルス感染症では、蚊の唾液が惹起する宿主応答が病原性の発揮に重要な役割を果たすがその全容は不明瞭である。特に吸血の有無、蚊の雌雄や種類、ウイルス感染、生育環境や常在細菌叢などの様々な要因が、唾液成分やウイルス感染に与える影響は未知数である。そこで本研究では、蚊媒介性フラビウイルス感染症をモデルとして、蚊を取り巻く様々な要因がどのような唾液成分の変化をもたらし、さらに媒介するウイルスの感染・伝播性に影響を与えるかどうかを解析する。
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Outline of Annual Research Achievements |
ウイルス媒介蚊の唾液中に存在する新規感染増強因子を探索するため、日本脳炎ウイルスを媒介するアカイエカの唾液腺からRNAを抽出し、次世代シークエンサーを用いて唾液腺で発現する遺伝子を網羅的に解析した。その結果、アカイエカの唾液腺で発現する遺伝子のリストアップに成功した。また得られた結果から、発現上位の遺伝子群(25種類)を唾液腺から調整したcDNAを用いてそれぞれPCR法によってクローニングを行い、バキュロウイルスベクターを用いたタンパク質発現系を構築した。今後はこの発現系を用いて、感染増強因子の探索を進めていく。 蚊の種類の違いによるとウイルスの病原性増強に対する影響を検討するため、自然界においてデングウイルスやジカウイルスの媒介科であるヒトスジシマカから唾液腺を採取し、日本脳炎ウイルスの病原性を増強するかどうかマウスモデルを用いて検討した。その結果、ヒトスジシマカ由来の唾液腺抽出物でもウイルスの病原性が増強することを明らかにした。また、実験室でなく野外から採取した蚊の唾液腺でも同様の検討を行うため、タイ王国・バンコクの王立公園で採取されたCulex属のメスの蚊から調整した唾液腺抽出物を用いて、日本脳炎ウイルスの病原性を検討した。その結果、アカイエカやヒトスジシマカと同様にCulex属蚊の唾液腺抽出物においてもウイルスの病原性が増強することが明らかとなった。以上の結果から蚊の唾液成分の中に共通した感染増強因子が存在することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度では、蚊の唾液中に含まれる感染増強因子の探索のために計画していた、アカイエカの唾液腺で発現するタンパク質の発現系を構築することでき、次年度に繋げることができた。また、野外で採取した蚊の唾液線を用いてもウイルスの病原性が増強することを確認できた。
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Strategy for Future Research Activity |
構築したアカイエカの唾液腺タンパク質発現系を用いて、培養細胞やマウスモデルで感染増強因子の探索・同定を進めていく。また、蚊の種類により病原性増強の程度に差異が生じていたことから、共通の感染増強因子は存在するものの、その量・質やその他の成分の違いにより、病原性に与える影響が異なったと考えられた。そこで雌雄や他の種類の蚊など様々な条件下で唾液腺の採取を行い、病原性に与える影響の検討を行うとともに、それぞれの条件に対して宿主側の免疫応答などの解析を計画通り進めていく。
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