Project/Area Number |
23K06580
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49070:Immunology-related
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中司 寛子 千葉大学, 大学院薬学研究院, 准教授 (90749334)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | TET / DNAメチル化 / 免疫老化 / 糖鎖 / T細胞老化 / エピゲノム |
Outline of Research at the Start |
T細胞の代表的な機能不全として疲弊、不応答(アナジー)、老化があるが、その中でもCD4+ T細胞の老化は正常な免疫機能発揮において重要な意味を持つにもかかわらず、あまり研究が進んでいないのが現状である。本研究では、独自に開発した『T細胞老化マウス』を用い以下の3点を明らかとする。 ① エピゲノム変化による転写調節および糖鎖機能に着目したT細胞老化機構の解明 ② T細胞の老化による個体老化機構の解明 ③ 老化T細胞の「若返り」による健康寿命延伸への方法論の確立
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Outline of Annual Research Achievements |
① エピゲノム変化による転写調節に着目したT細胞老化機構の解明 先行研究において、T細胞老化形質獲得におけるエピゲノム変化とBcl6発現の関連が示唆された。そこで、遺伝子発現(scRNA-seq)とエピゲノム状態(MeDIP-seq, 5hmC ChIP-seq)、Bcl6結合情報(Bcl6 ChIP-seq)からBcl6のターゲットとなる遺伝子を絞り込み、T細胞老化における関与を検討した。DKOマウスおよび高齢マウスCD4+ T細胞におけるscRNA-seq のデータに加え、MeDIP-seqにより得られたDNAメチル化情報と5hmCおよびBcl6のChIP-seq情報との統合解析を行い、既報のBcl6により発現調節される遺伝子との比較により、T細胞老化におけるBcl6のターゲット候補遺伝子を絞り込んだ。これらの遺伝子についてBcl6のChIP-qPCRを行い、特にBcl6遺伝子領域におけるBcl6の結合がDKO CD4+ T細胞においてWT CD4+ T細胞に比して亢進することが明らかとなった。 ② 糖鎖機能に着目したT細胞老化機構の解明 T細胞における新規老化マーカーの発見と、それを利用した老化の解除を目指し、老化T細胞における糖鎖機能の解析を行った。DKOマウスと糖鎖修飾酵素欠損マウス(FucT-IV(-/-)FucT-VII(-/-))を交配し、T細胞老化における糖鎖発現の寄与を検討した。QKOマウス(Tet2(f/f)Tet3(f/f)Cd4(Cre/+)FucT-IV(-/-)FucT-VII(-/-))においてはT細胞老化が抑制される傾向にあったことから、T細胞の老化にはFucT-IV/-VIIおよびsLeX糖鎖が関与する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「T細胞老化におけるエピゲノム変化とBcl6によるT細胞老化誘導機構の解明」については、予定していたBcl6のターゲットとなる老化関連遺伝子を絞り込みがほぼ終了した。「T細胞老化における糖鎖機能の解明」として、老化T細胞でのsLeX糖鎖の発現解析を行い、さらにTet2/3およびFut4/7を欠損するQKOマウスを作出し、解析を始めることができた。 よって、概ね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は作製したQKOマウスを用いてT細胞表現型や、自己免疫様病態への影響の検討を進めていく。さらに、T細胞老化による個体老化機構の解明を行うため、まずは老化T細胞移入による全身の各臓器への影響について検討を進める予定である。
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