Project/Area Number |
23K06583
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49070:Immunology-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
前田 和彦 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任准教授(常勤) (20332869)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | T細胞 / ノンコーディングRNA / RNA結合タンパク質 / ノックアウトマウス / 炎症 / RNA代謝 |
Outline of Research at the Start |
RNA結合タンパク質(RBP)Regnase-1による標的mRNAの制御異常は、自己免疫疾患と密接な関連があることが示されている。しかし、このタンパク質が体内で具体的にどのような機能を持っているのかはまだよく分かっていない。Regnase-1欠損T細胞では、T-lncRNAの発現が増加し、T細胞活性化経路をに関連することが示唆されている。この新しいRBP-RNAネットワークを解明することで、「炎症の収束」の理解を目指している。
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Outline of Annual Research Achievements |
T細胞恒常性維持に関わる内因プログラムは、細胞表面抗原や遺伝子の発現を指標として理解が進んでいる。例えば、抗原提示を受けたナイーブT細胞は、Th1/Th2/Th17などの特色あるエフェクターT細胞へと分化し最適な免疫応答を誘導する。各エフェクター細胞は、特定のサイトカインや転写因子の発現パターンの違いによって理解されているが、これらの機能因子の発現パターンが、何故各段階で緻密にプログラムされているのかということに対する明確な答えはまだない。遺伝子発現のオン・オフによる結果を見ているだけであり、それらを支配している俯瞰的な仕組みについてはまだ明らかではない。 本研究ではnon-coding RNA (ncRNA)が内因プログラムを結びつける内在因子として作用していると仮定し、「RNA代謝制御」の理解の観点から、新たに同定した活性化T細胞で特異的発現する「T-lncRNA」の解析を進めている。本年度は、野生型およびT-lncRNA欠損マウスの脾臓からT細胞を単離し、PMA及びIonomycinで刺激をした試料を調整し、プロテオミクス解析を行った。その結果、無刺激及び刺激を施した細胞の間で、共通して検出されたペプチドを絞り込み、それらの中から有意に変動する集団を同定した。これらの集団の中で、関連性が高いと推察される分子について、個別検証を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに進捗している。 本年度は、野生型およびT-lncRNA欠損マウスの脾臓からCD4陽性T細胞を単離し、PMA及びIonomycinで刺激をした試料を調整し、プロテオミクス解析を行った。その結果、無刺激及び刺激を施した細胞の間で、共通して検出された1248ペプチドを絞り込み、それらの中から有意に変動する集団を同定した。これらの集団の中で、関連性が高いと推察される分子について、個別検証を進めている。 T-lncRNAがどのようなRNA結合分子と相互作用しているのかを明らかとするために、ビオチン標識したT-lncRNA転写産物をin vitroで調製し、T細胞可溶化溶液を用いたプルダウン法及びプロテオミクス法を実施した。SDS-PAGEで沈降物を展開後、銀染色で結合分子の検出を試みた。いくつかの条件検定を繰り返し、至適条件下で異なるバンドの候補を選び、質量分析でペプチドの検出と同定を行った。これらの解析を継続している。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度から引き続き、T-lncRNAによって影響を受ける分子群及び、T-lncRNAと直接会合する分子の同定をin vitroのシステムを導入して検証を進めていく。さらにT-lncRNA欠損マウスから調整するマウスT細胞を用いたさまざまな刺激実験を試みる予定である。
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