Project/Area Number |
23K06600
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49070:Immunology-related
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
小園 晴生 東京理科大学, 研究推進機構生命医科学研究所, 准教授 (80287482)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | MHC / ユビキチン / 制御性T細胞 / class II MHC |
Outline of Research at the Start |
ユビキチン化されたMHCIIがT細胞応答に抑制的に働くことを実証し、自己免疫疾患の抑制やがん免疫の強化につなげる技術開発を行う。我々は、ユビキチン化されたMHCIIも抗原提示が可能で、制御性T細胞が支配的になることを発見した。本研究では、ユビキチン化がTCRとMHCの相互作用やT細胞のシグナル伝達にどのような影響を与えるか検証し、ユビキチン化の制御法や同等効果のMHC修飾法を開発し、免疫応答の抑制と昂進の制御法を創出する。
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Outline of Annual Research Achievements |
免疫応答は外来微生物由来の物質に対して起こるし、自己抗原に対しても起こる。免疫応答の昂進と抑制という二つの拮抗する制御の調和は、健康な生活を送るうえで欠かせないものとなっている。T細胞はエフェクターとして種々の機能を持つが、抑制性の制御性T細胞(T-reg)にもなり得る。どちらの機能が優勢になるかで自己免疫応答や、ガン細胞への攻撃の強弱が決まる。樹状細胞(DC)は抗原提示を介してT細胞のタイプを変化させることのできる細胞であり、conventional DC(cDC)とplasmacytoid DC (pDC)の2つに分けることができる。cDCは活性化すると強力にエフェクターT細胞を活性化するのに対して、pDCは活性化しても免疫抑制に働くことが多い。cDCもpDCもいたるところに存在するため、その微妙な構成の違いが免疫の昂進か抑制を決めると考えられる。しかしながらpDCが如何にして抑制的機能を発揮するかはよく解っていない。pDCは活性化されても常時ユビキチンリガーゼMARCH Iを発現することが知られており、そこがcDCと大きく異なることである。すなわちTLR刺激においてcDCではMARCH I発現を抑制し、pDCではTLR刺激下でもMARCH Iを発現し続ける。我々はユビキチン化MHCIIによる抗原提示はT-regを誘導し、免疫抑制に働くという仮説のもとに研究を行い、遺伝的にユビキチンを連結させたMHCIIを持つAPCによる抗原提示が実際T-regを誘導することを示すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
抗原提示におけるMHCIIのユビキチン化の影響を調べるためにはMARCH I KOやユビキチン化部位であるK225をRに変化させたK225Rマウス由来の細胞では、ユビキチン化の影響を調べることは難しい。Mellmanらによるとユビキチン差の長さによりMHCIIの局在が決定されるからである。ユビキチンが1-2個(Ub1, Ub2)の場合MHCIIは細胞表面に局在し、多くなるにつれ細胞内小胞に存在する。そこで我々はユビキチンが1個から4個付いたMHCIIコンストラクトを作りMHCIIを発現しないB細胞株に導入した。それを用いて1分子X線解析(Diffracted X-ray Blinking: DXB)による解析により分子動態の差を見出した。また、可溶性LAG-3分子を作製し、その結合がユビキチンの長さに依存して逆比例することを見出した。さらに、2D2マウス由来のT細胞をユビキチンの個数の異なるMHCIIを発現するAPCで刺激した結果、Ub1及びUb2ではIFN-を出すエフェクターT細胞は誘導されず、Foxp-3を発現するT-regが優先的に誘導されることが明らかになった。これら結果により、当初の予定を達成した。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は一定の個数のユビキチンに限定したMHCII発現細胞の作製、ユビキチン化による構造変化の解析、T-regの誘導実験まで行った。しかしながら微妙な強さのT細胞シグナルをリン酸化タンパク質の増減で検出するのは難しかった。2024年度は、どのような違いがTCRに伝わるか検証するため、可溶性TCRを作り、TCRのAPCへの結合がどのように変化するかを検討し、MHCIIのユビキチン化がTCRとの会合に影響を与えるかを検討する予定である。
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