Project/Area Number |
23K06608
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 50010:Tumor biology-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
辰野 健二 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任准教授 (80775239)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 悪性胸膜中皮腫 / ゲノム構造異常 / 空間的遺伝子解析 |
Outline of Research at the Start |
悪性胸膜中皮腫でのアノイキス耐性機構を解析するため、中皮腫細胞株、および正常中皮細胞株の3次元培養モデルを作成し、足場依存性の不連続な微小環境下での空間トランスクリプトーム解析を実施し、細胞形態や空間での発現プロファイルの違いから、アノイキス耐性に関わる遺伝子制御機構を探索することを目指す。また、悪性胸膜中皮腫で高頻度に観察される染色体の構造異常はその機能が不明なものが多く残されているが、異なる細胞株の空間トランスクリプトーム解析を比較することにより、それぞれの細胞株が持つゲノム構造異常とアノイキス耐性獲得機構に関わる発現プロファイル解析により、耐性獲得に関わるゲノム構造異常を探索する。
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Outline of Annual Research Achievements |
i) 悪性胸膜中皮腫のロングリードシーケンスによる詳細な構造異常の検出>悪性胸膜中皮腫の細胞株は、WES解析により多様な構造異常が存在することがわかっているが、PromathIONシーケンサーによるロングリード解析を実施し、全ゲノム解析のデータを用いたPhasingも併せて行うことで、アレル別の詳細な構造異常プロファイルを得た。また正常中皮細胞株を入手し、同様に詳細なゲノムデータを解析した。ロングリード解析では一部の検体についてPacBioシーケンサーによるデータが入手できたので、シーケンサープラットフォームの違いによる検出力の差についても検討中である。 ii) 中皮腫細胞株の3次元培養モデルの構築> 上記で詳細なゲノム構造異常プロファイルが得られた細胞株の3次元培養モデルを作成した。細胞株によっては3次元培養が困難な株があり、培養条件のさらなる最適化を進めている。 iii) Visiumによる空間トランスクリプトーム解析>Visiumの解析では約6.5㎜角のスペースにある5000個バーコードによって位置情報を決めるが、3次元培養モデルは約1㎜のサイズなので、高密度の解析ができるVisiumHDを使用する予定でいたが、機器の国内発売が遅れているため、実施を延期している。 iv) 3次元培養モデルの空間情報を利用したアノイキスの表現型に関わる遺伝子の探索、は今後実施予定 v) 染色体構造異常プロファイルとアノイキス制御機構の関連の探索>染色体構造異常と発現プロファイルの統合解析手法を検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
中皮細胞株を準備し3次元培養の条件検討を実施した。これまでに5種類の細胞株について培養条件の検討を行ったが、細胞株間の差が大きく安定的に培養できる株の種類が少ない状況である。さらに細胞株の培養準備を進め、安定的な3次元培養系の確立を目指す。 使用する細胞株のゲノム解析については、従前の計画で所得したデータと、新たに所得したロングリードシーケンスの情報の統合解析を実施し、ゲノム構造異常と発現プロファイルのゲノムワイドでの関係性を探索した。 空間遺伝子解析に関しては、当初予定していた解析機器の国内販売が遅れているため、実験が実施できない状況が続いたが、昨年度末には解消されたので今年度は実施予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
染色体構造異常に関しては、ロングリードシーケンスによって多様な構造異常が認められ、これらの新たな解釈が必要となっているため、既存の発現データなどとの統合的な解析が必要である。そのためのアルゴリズムを検討、開発する必要が生じている。
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