Identification of factor to induce lactic acidosis in pre-metastatic niche
Project/Area Number |
23K06620
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 50010:Tumor biology-related
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
戸田 侑紀 京都薬科大学, 薬学部, 助教 (40779724)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2026: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 前転移ニッチ / 細胞外小胞 / pH / 肺 / 好中球 / 乳酸アシドーシス / Extracellular vesicle |
Outline of Research at the Start |
がん細胞は自身の成長に適した環境を選び、転移すると言われている(種と土壌仮説)。これまでに、正常な組織環境ががん細胞の分泌する因子によって酸性化し、転移しやすい環境へと変わることを見つけた。本研究では、その酸性化を誘導する分泌因子の正体を突き止める。これを明らかにすることで、例えば本因子の血中存在量を基に「転移がいつ、どこに発生するか」を予測するなど、転移の予防を目指した診断法の開発につながることが期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
がん患者の生命予後は遠隔転移の有無によって大きく影響される。一方で、転移を未然に察知し、転移リスクに応じたリアルタイムな医療介入を実施することは全くできていない。申請者は、原発腫瘍の液性因子による転移に適した環境の事前形成(前転移ニッチ)に着目し、肺組織が転移に先だって酸性化することを見つけている。本研究課題では、転移の前兆である上記現象の発症に関わる因子を同定するために、これまでの独自の知見に基づいた探索を実施している。 本年度は、肺組織酸性化を引き起こす乳がん細胞(4T1.2)の液性因子から細胞外小胞(EV)と好中球誘導因子(G-CSF)に着目し、その肺組織酸性化を検証した。その結果、4T1.2分泌EVが肺組織酸性化を誘導すること、またその標的細胞や作用候補分子を同定した。本成果より、前転移ニッチ形成におけるEVの新たな機能的役割が見出された。EVに内包される責任分子などから本現象の分子メカニズムについてさらに深掘りし、転移の前兆を捉えるための科学的知見の提供につなげる。上記成果の一部はFrontier Oncology誌に掲載受理された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①4T1.2細胞が分泌するEVを投与したマウス肺において肺組織酸性化が生じることを明らかにした。本EVは低pHプローブ(pHLIP)の標的細胞として別途同定したII型肺胞上皮細胞やマクロファージに高効率に取り込まれた。よって、肺組織酸性化はEVによる肺組織への直接作用の結果であることが示唆された。また、本EVは解糖系関連タンパク質を発現しており、肺組織酸性化への関与を今後検証する対象分子の同定に至った。 ②G-CSFをノックダウンした4T1.2細胞(Csf3-KD株)またはその対照株をマウス乳腺に移植することにより、乳がん同所性モデルの作製を試みた。しかし、原発腫瘍の形成のばらつきが個体間で大きく、肺組織酸性化を評価するために必要な上記モデルを安定的に供給することができなかった。移植細胞数などの各種条件の最適化が今後必要と考えられる。 以上より、研究計画調書に記載した内容に沿って概ね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
肺組織酸性化の発症因子として4T1.2細胞が分泌するEVを同定し、それを起点とした発症メカニズムの解明につながるキーワード(EVの標的細胞および責任候補分子)もあげられた。一方で、好中球誘導の肺組織酸性化への関与は十分に検証できておらず、その目処も立っていない。このことから、EVにフォーカスした肺組織酸性化の発症メカニズムについて、今後検証を進める。メカニズム解明を効率的に進めるために、EV標的細胞のモデル株を用いた培養系により肺組織酸性化の再現を試みる。EVが発現する解糖系関連分子をノックダウンした4T1.2細胞を作製し、当該細胞から単離した解糖系関連分子欠損EVによる酸性化作用について検討する。これにより、肺組織酸性化に係るEV内包分子の同定を目指す。好中球関連の実験についても、状況を鑑みて実施を検討する。具体的には、酸性化肺から単離した好中球を別の野生型マウス肺に移植し、組織酸性化作用を検証する。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)