Project/Area Number |
23K06624
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 50010:Tumor biology-related
|
Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
藤下 晃章 愛知県がんセンター(研究所), がん病態生理学分野, 主任研究員 (50511870)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
|
Keywords | がん / 転移 / オートファジー |
Outline of Research at the Start |
大腸がんの転移メカニズムの解明と治療標的を探索するため、転移性大腸がんマウスモデルを用いてオートファジーが大腸がん幹細胞の維持や浸潤・転移等にどのように関与しているかを生体レベルで明らかにする。さらにオートファジーの新規バイオマーカーを同定することを目的とする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
オートファジーは、飢餓、オルガネラの損傷など様々な細胞内ストレスに対して細胞の恒常性を維持するための細胞分解経路である。遠隔転移を伴う大腸がんは予後不良であることから、新たな治療法の開発が急務である。申請者はこれまでに4つの大腸がん関連遺伝子 (Ctnnb1、Kras、Tp53、Smad4) の変異導入により腸管に腺がんを発症し、肝臓へ転移する大腸がんマウスモデル (CKPSマウス) を独自に開発し、がん幹細胞性の維持が大腸がんの転移に必要であることを見出している。そのためこのマウスモデルを利用することで、大腸がんの浸潤・転移およびがん幹細胞性維持におけるオートファジーの役割について生体レベルで解明することを目指している。 本年度は、生理的条件下でのオートファジー阻害による大腸がんの浸潤・転移への影響を検証するため、Atg5 ノックアウトマウス (A5マウス) またはAtg7ノックアウトマウス (A7マウス) とCKPSマウスを交配することで、オートファジー欠損CKPSマウス(A5-CKPSおよびA7-CKPSマウス)を作出することを目標とした。 これまでにA5ホモ-CKPSマウスの作出に成功しており、A5ヘテロ-CKPSマウスと併せて腸管腫瘍の発生頻度や転移の有無、生存期間などについて個体レベルでの解析を進めている。またCKPSマウスから樹立した大腸がん細胞株(CKPS細胞)にオートファジー活性をモニタリングするためのGFP-LC3-RFP-LC3ΔGプローブをウィルスベクターにより導入した。このプローブ発現CKPS細胞を用いて、in vitroでのCKPS細胞のオートファジー活性を評価した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CKPS マウスはp53およびSmad4遺伝子をfloxホモにする必要があり、Atg5およびAtg7ノックアウトマウスもfloxホモが必要である。そのためCKPS マウスとAtg5またはAtg7マウスを交配し、Atg5flox/+およびAtg7flox/+/Ctnnb1flox/+/KrasLSL-G12D/Trp53flox/+/Smad4flox/+マウスを作出し、その後複数回交配を繰り返すことで、floxホモ化を目指した。これまでにA5-CKPSホモマウス作出に成功した。また同時に生まれたA5ヘテロ-CKPSマウスと比較しながら解析をはじめている。 一方、Atg7遺伝子はKras遺伝子と同じ染色体上に存在している。そのため減数分裂組換えにより同じ染色体上にAtg7floxとKrasLSL-G12Dを持つ複合ヘテロ接合体マウスを作成した。現在Atg7floxのホモ化を目指し交配を進めている。 生体内でのオートファジー活性をモニタリングするため、CKPSマウスから樹立した大腸がん細胞株(CKPS細胞)にGFP-LC3-RFP-LC3ΔGプローブをウィルスベクターにより導入した。導入したプローブの評価は、GFPおよびRFPの発現によって確認した。これによってLC3抗体とクロロキンなどのオートファージー阻害剤を用いたウェスタンブロット法によるフラックスアッセイと合わせて、オートファジーを評価できるモデルを作成することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
A5-CKPSマウスを作出できたことから、オートファジー欠損が大腸がんの転移に与える影響について生体レベルで解析を実施する。具体的にはA5-ホモCKPSマウスとA5ヘテロ-CKPSマウスに発生した腸管腫瘍の数、浸潤、転移の頻度を比較する。これらのマウスの病理組織標本を用いて各種染色法による組織学的解析を実施する。各マウスの腫瘍組織を回収し定量的プロテオーム解析やRNA-seq解析を実施することで、分子レベルでのオートファジー欠損の影響について評価し、オートファジーバイオマーカーの探索を行う。 また、A7-ホモCKPSマウス作出のための交配を引き続き行う。 A5-ホモCKPSマウスとA5ヘテロ-CKPSマウスから作出したATG5-KO CKPS細胞を作成し、細胞増殖やマトリゲル浸潤能を測定し、in vitroでのオートファジー欠損による影響を評価する。また脾注肝転移モデルによって肝転移巣形成数を計測する。
|