Project/Area Number |
23K06664
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 50010:Tumor biology-related
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
高野 洋志 公益財団法人がん研究会, がん研究所 細胞生物部, 主任研究員 (00241555)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2027: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2026: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 大腸がん / モデルマウス / 染色体構造異常 / AIDシステム / MpsI / 微小核 / クロモスリプシス / 染色体異常 |
Outline of Research at the Start |
大腸がんは、遺伝子変異が段階的に蓄積することにより進展することが知られている。一方、多くのヒトがん細胞では、ゲノムの増幅や欠失によるコピー数変化(CNA)が認められるが、それらの生物学的意義は明らかにされていない。 本研究課題では、マウス個体においてオーキシンデグロン(AID)システムを用いて紡錘体 チェックポイント分子MpsIをタンパク質レベルで一過性にノックダウンすることにより染色体異常を誘導する新たな実験系を開発し、これを大腸がんモデルマウスに導入することにより、ゲノム構造の異常とがんの進展との関連を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
大腸がんの進展に関わるゲノム構造の異常を明らかにすることを目的として、AID技術により染色体異常を誘導する新たな実験系を開発し、大腸がんモデルマウスに導入する。これにより、CNAをはじめとするゲノム構造の異常が実際にがんの進展に寄与することを実証し、さらに、同定されたゲノム異常を詳細に解析することにより、大腸がん進展の鍵となる遺伝子を同定する。 本年度は、AID法をマウス生体においてコンディショナルかつ組織特異的に行うために、マウス受精卵でのゲノム編集により、ROSA26-CAG-loxP-stop-loxP-OsTIRIノックインマウスを作製した。このマウスから胎児線維芽細胞を作製し、Cre発現プラスミドとmAIDタグ標識したGFP発現プラスミドをトランスフェクションし、さらにオーキシン誘導体(5-Ph-IAA)処理し蛍光顕微鏡下でタイムラプス撮影を行った。その結果、5-Ph-IAA処理処理群では1時間以内にGFPタンパクの消失が認められ、作製したマウスのOsTIRIが計画通り機能していることが確認された。これらのマウスを、CAG-Creマウスと交配することにより、全身で恒常的にOSTIRIを発現するCAG-OsTIRIマウスも作製した。さらに、AIDシステムを用いて染色体異常を誘導するために、マウス受精卵でのゲノム編集により、紡錘体チェックポイント分子のC末端にmAIDタグを付加したマウスを作製した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウス個体におけるAIDシステムに必須のCAG-LSL-OsTIRIマウスの作製に成功した。さらに本システムを用いて染色体異常を誘導するために、マウスMpsI遺伝子にmAIDタグを付加したマウスの作製に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
大腸がんモデルマウスであるLgr5CreERT2;APC580S/S;LSL-KrasG15D;TP53S/SにCAG-LSL-OsTIRIおよびMpsI-mAIDを交配により導入し、タモキシフェン投与により腫瘍形成を誘導しした後、5-Ph-IAAを投与してMpsIを一過性に分解することにより、微小核形成を介した染色体異常を誘導し、腫瘍数、腫瘍サイズ、腫瘍形成の時期、浸潤・転移の有無について詳細に解析する。これらの腫瘍について、病理組織学的解析ならびに幹細胞マーカー(Lgr5やOLFM4など)や増殖細胞のマーカー(PCNAなど)、分化細胞のマーカー(LysozymeやCK15など)の免疫染色、in situハイブリダイゼーションによる発現解析を行うことにより、個々の腫瘍の性格付けを行う。さらに、これらの腫瘍からレーザーマクロダイセクションによりDNAを抽出し、エクソンシーケンスならびに全ゲノムシーケンス解析によりCNAを検出し、ヒト大腸がんで明らかにされているCNAデータと比較検討することにより、がんの進展・悪性化に関わるゲノム領域を同定を目指す。
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