Project/Area Number |
23K06672
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 50010:Tumor biology-related
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
上野 将也 金沢大学, がん進展制御研究所, 助教 (20334766)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | ニコチンアミド / 代謝 / オンコメタボライト / 白血病 / がん / 薬剤耐性 |
Outline of Research at the Start |
がん細胞は正常細胞とは異なり、旺盛な細胞分裂能と抗がん剤などへの治療抵抗性を持つことで、悪性形質を示す。近年の研究から、がん細胞は細胞内代謝を大きく変化させること(代謝リプログラミング)で、悪性形質を獲得していることがわかってきた。研究代表者らは、がん細胞の治療抵抗性に関わる代謝制御分子を探索し、ビタミンの一種である、ニコチンアミド代謝関連分子が、がんの悪性形質獲得に重要な役割を果たすことを見出した。本研究では、ニコチンアミド代謝に関わる遺伝子全般の機能を詳細に解析し、がんの悪性形質獲得における本代謝経路の機能を解明し、新たな治療標的の同定を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
がんは旺盛な増殖能を発揮する一方で、ストレスに抗して生き残るための分子機構を兼ね備えている。がんはストレスに応答してダイナミックに代謝調節するが、この代謝調節そのものが積極的に幹細胞性(ステムネス)や転移能を含む悪性形質の獲得に寄与しているという「代謝リプログラミング」という概念も生まれ、その全容解明が望まれている。我々は、がんの治療抵抗性に関わる代謝制御分子の探索で、ニコチンアミド代謝関連酵素を鍵分子として同定した。本酵素はニコチンアミド代謝を制御するが、NAD+や一連の代謝物を変動させ、がんの悪性化を促すエピジェネティク制御に関与する。予備的研究で、本分子の代謝物(X)が、直接的に治療抵抗性、細胞周期停止、ストレス耐性、上皮間葉転換(EMT)を制御することを見いだし、「オンコメタボライト」としての役割を果たすことを示唆する知見を得た。さらに、がん転移モデルでは、この代謝物(X)が、がん細胞の運命決定あるいは微小環境形成に重要な役割を果たすことを見出した。本研究では、この代謝物(X)の動態・機能解析を通して、がんの薬剤耐性および転移を制御する分子基盤を解明する。 今年度は、代謝物(X)に結合するタンパク質を複数同定し、この中から候補分子を同定する機能スクリーニング法を確立した。また、全遺伝子を標的としたsgRNAライブラリーを用いてスクリーニングを実施し、代謝物(X)を細胞内に取り込むトランスポーターを同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、代謝物(X)に結合するタンパク質を複数同定できた。この分子群を標的としたsgRNAライブラリーを作成し、このライブラリーを用いた機能分子スクリーニング法を確立できた。本スクリーニングの実施により、代謝物(X)に結合し、薬剤耐性に関与する候補分子を複数同定できた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、候補分子の薬剤耐性機構における機能を解析する。また、代謝物(X)のトランスポーターを同定しており、本分子の薬剤耐性機構における機能を同様に解析する。
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