The role of Aurora-A-mediated G1/S transition in carcinogenesis
Project/Area Number |
23K06674
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 50010:Tumor biology-related
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
後藤 英仁 三重大学, 医学系研究科, 教授 (20393126)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | Aurora-A / G0 (G1)/S移行 / 一次線毛退縮 / RB経路 / p53経路 / 発がん / 細胞周期 / G1/S移行 / Aurora-A (AurA) |
Outline of Research at the Start |
Aurora-A (AurA)は、分裂期キナーゼの一種であるとともに、がん遺伝子の一つとして位置づけられている。特に、分裂間期においてもAurAはある程度活性を維持し、細胞周期(増殖サイクル)のG1期からS期への移行を促進していることが知られている。AurAによる発がん機構においては、このG1/S移行の促進機構が分裂期での機能亢進より重要な役割を果たしていると想定されているが、その分子機構については不明な部分が多い。本研究では、このAurAを介した発がん機構を解明するとともに、新たな抗がん治療の提言に結びつく成果を得ることを目指している。
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Outline of Annual Research Achievements |
Aurora-A(AurA)はがん遺伝子の一つとして分類されているキナーゼである。これまでの研究でAurAがG1/S移行を促進することが知れられているが、その下流の分子機構としては、G1/S移行を負に制御しているRb経路、p53経路、または、一次線毛形成経路をAurAが抑制するという三種類のモデルが存在する。このような論争の背景には、既存の実験法では、キナーゼの抑制までに時間を費やしたり、他の分子群まで同時に抑制したりして、AurA抑制と直接的に関係しない二次的変化を同時に捉えてしまう点が挙げられる。 昨年度、正常2倍体細胞として汎用される(h-TERTで不死化された)RPE1細胞にCRISPR/Cas9によるゲノム編集法を応用して、以下の二つの遺伝子を導入した。まず、オーキシン(5-Ph-IAA)誘導性分解に必要な(植物由来のF-boxタンパク質)OsTIR1 F74Gをドキシサイクリン(Dox)依存性に発現する遺伝子カセットをセーフ・ハーバー遺伝子の一つであるAAVS1の遺伝子座に導入した。その後、二つの内在性のAurA遺伝子座の終始コドンの直前にmAID(オーキシン誘導性デグロン)とmClover(緑色蛍光タンパク質)の融合遺伝子(mACl)を導入した。この樹立した細胞株は、事前にOsTIR1 F74Gを誘導発現した状態では、5-Ph-IAA添加後2時間以内に内在性のAurAを分解誘導することに成功した。つまり、本研究の目的の一つである内在性タンパク質をオーキシン依存性に迅速かつ特異的に分解する系を培養細胞に導入することでこれまでの技術的困難性を克服することには成功した。今後、AurAがどの経路を主体的に抑制することで発がんに寄与しているのかを明らかにする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今回、樹立した細胞株は、内在性AurAの分解誘導を行なっていない状態では、48時間の血清飢餓により、親株であるRPE1細胞とほぼ同等程度の割合で、一次線毛を生やすことも判明した。48時間血清飢餓をおこなったのち、再び、血清を添加することで、血清の再添加後の一次線毛退縮と細胞周期進行が内在性AurAの分解誘導で影響を受けるかについて検討した。現在、(前もってOsTIR1 F74Gを誘導したのち)血清添加と同時に5-Ph-IAAを加えて内在性AurAの分解誘導を行うと、一次線毛退縮が著しく遅延することが判明した。また、細胞周期のG0 (G1)/S進行マーカーであるRbのリン酸化量、CDT1またはCyclin E2の発現量も内在性AurAの分解誘導で低下することも判明した。しかし、内在性AurAの分解誘導でCyclinD1の発現量やp53-p21の発現量にはほとんど変化は認められなかった。そのため、この実験系では、内在性AurAの分解誘導により一次線毛退縮が遅れ、細胞周期の進行を負に制御している可能性が最も示唆される。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究結果は一次線毛退縮と細胞周期進行の相関関係を示しただけで、互いの因果関係を示すものではない。その因果関係が存在するかを検討するため、現在、タンパク質の分解によって一次線毛退縮を促進する分子に注目し、同様な手法で目的タンパク質を5-Ph-IAA依存性に分解する細胞株の樹立を行なっている最中である。この目的タンパク質の分解により、血清再添加後の一次線退縮が促進されるものがあれば、AurAとの2重誘導分解株を樹立することで一次線毛退縮と細胞周期進行の因果関係があるのかについて明らかにしていく予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)