Project/Area Number |
23K06686
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 50010:Tumor biology-related
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
板橋 耕太 国立研究開発法人国立がん研究センター, 先端医療開発センター, 研究員 (10828990)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 制御性T細胞 / 免疫療法 / 腫瘍免疫 |
Outline of Research at the Start |
ヒトの腫瘍局所には制御性T細胞が多く浸潤して、腫瘍に対する免疫応答を抑制している。しかしながら、腫瘍浸潤制御性T細胞の臓器間の違いや、違いを生む機序の詳細に関しては、追求するべき点が多く残っている。申請者は先行研究で、ヒトの正常肺組織や肺癌組織内の制御性T細胞の多様性と分化機序の詳細を明らかにした。本研究課題では、ヒトの胃癌などの制御性T細胞を中心に、臓器間の制御性T細胞の違いに着目しつつ、臓器特異的な腫瘍浸潤制御性T細胞の特徴と、そのような制御性T細胞が誘導される臓器特異的な機序を明らかにしていく。さらには、臓器特異的な制御性T細胞を標的とした新規免疫治療の開発に繋げていく。
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Outline of Annual Research Achievements |
ヒトの腫瘍局所に浸潤する制御性T(Treg)細胞が多く浸潤して、腫瘍に対する免疫応答を抑制している。また、免疫チェックポイント阻害薬投与時に、エフェクターTreg細胞がさらに活性化して、免疫チェックポイント阻害薬の初期耐性の原因となることを報告してきた。 CD8陽性T細胞は腫瘍免疫において中心的な役割を果たしており、世界中で研究が進められている。腫瘍部位ではCD8陽性T細胞のクロマチン構造が変化して特徴的な消耗状態になること、CD8陽性T細胞のフェノタイプが臓器によって異なることが報告され始めている。またマウスモデルでは、正常組織に常在するTreg細胞が組織特異的な表現型を持つことも報告されている。一方で、検体採取が困難なために、ヒトの組織および腫瘍浸潤Treg細胞の詳細なシングルセルシーケンスを含めた解析や、臓器間でTreg細胞のフェノタイプを比較をした研究は、ほとんど行われていない。さらに、腫瘍浸潤性Treg細胞を活性化するメカニズムは腫瘍の罹患臓器によって異なり、その違いを生み出すメカニズムの詳細についても、まだまだ追求すべきことが多い。本研究課題では、臓器や腫瘍の特徴、さらにはその特徴的な微小環境が、Treg細胞とどのように相互作用し、臓器特異的Treg細胞を誘導するのかのメカニズムを探っていく。最終的には、それぞれの腫瘍に特異的な腫瘍浸潤Treg細胞や、そのようなTreg細胞を誘導するがん側の治療標的を同定し、将来の新規免疫療法の開発につなげることを目指して進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
まずすでに公開され使用できるシングルセルシーケンスのデータを用いて、がん種横断的にTreg細胞の相違について解析を実施した。また胃がんに関してはシングルセルシーケンスのデータを取得し、先行研究で実施した肺がんのTreg細胞のシングルセルシーケンスと統合し、腫瘍間のTreg細胞の差異に関する解析を進めている。また、泌尿器科がんのTreg細胞を含めた免疫細胞のシングルセルシーケンス、フローサイトメトリー、CyTOFの解析も行っている。泌尿器科がんの腫瘍のRNAシーケンスや全ゲノムシーケンスと、免疫細胞の統合解析を行うことによって、ある泌尿器科がんのサブセットで、腫瘍特異的なTreg細胞が誘導されるメカニズムの候補が見出されため、追及して研究を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
特に泌尿器科がんでTreg細胞を誘導する、一部の腫瘍特異的な機序の候補が特定されてきている。特定された遺伝子について、腫瘍株の強制発現株およびノックダウン株を作成し、in vivoモデルにて、Treg細胞への影響の詳細をフローサイトメトリーなどを用いて明らかにしていく。また、Treg細胞標的治療の意義を確認していく。特定された因子や特定された腫瘍特異的なTreg細胞と、免疫チェックポイント阻害薬の効果や耐性機序との関連性をヒト検体で検証する。
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