Project/Area Number |
23K06722
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 50020:Tumor diagnostics and therapeutics-related
|
Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
布矢 純一 獨協医科大学, 医学部, 講師 (40466842)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
|
Keywords | CAR-T細胞 / 疲弊 / 免疫チェックポイント / 膵臓がん / 免疫チェックポイント阻害剤 / 微小環境 |
Outline of Research at the Start |
キメラ抗原受容体(CAR)を導入したT細胞であるCAR-T細胞による免疫治療が血液がんに対して高い治療効果をもたらしている。一方で、膵臓がんなどの固形腫瘍に対しては、治療効果が十分には得られていない。その要因としてCAR-T細胞の疲弊や腫瘍微小環境における免疫チェックポイント分子(ICM)を介した機能抑制が知られているが、それらの克服方法は確立されていない。本研究では、CAR分子に含まれる共刺激シグナルの選択とCAR-T細胞へのICM阻害抗体の分泌能の付与により、疲弊克服型CAR-T細胞を創出する。これにより、膵臓がんをはじめとする固形腫瘍の治療改善に向けた道筋をつけることを目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画の目的は、膵臓がん組織での免疫抑制に関わる免疫チェックポイント分子であるVISTAに対する阻害抗体(ICI)を分泌するCAR-T細胞を作製することで、機能抑制回避能を併せ持った疲弊克服型CAR-T細胞を創出することである。これにより、膵臓がんをはじめとする固形腫瘍の治療改善に向けた道筋をつけることを目指す。 令和5年度は①膵臓がんに高頻度に発現するメソテリン(Meso)を標的としたCAR-T細胞の作製、②共培養に用いるVISTA発現免疫細胞の樹立を行った。CARの抗原認識部位として抗Meso抗体、ICIとして抗VISTA抗体に由来する単鎖抗体(scFv)の配列を用いた。scFvをコードする核酸配列は人工遺伝子合成により合成し、HVEMを共刺激シグナル配列として有するCARおよびVISTA阻害抗体を発現する組換えレンチウイルスベクター(LV)プラスミドを構築した。組換えLVは293FT細胞を用いて調整し、高速遠心によりウイルス液を濃縮した。健常人のリンパ球から単離したT細胞を抗CD3/CD28抗体磁気ビーズで活性化させ、作製した組換えLVを用いて遺伝子導入を行った。フローサイトメトリー(FC)での解析によりCARの発現を確認でき、CAR-T細胞を作製できたと考えられた。また、VISTA発現LVプラスミドをVector Builder社より購入し、上記と同様に組換えLVを作製した。急性単球性白血病細胞株(THP-1細胞)および慢性骨髄性白血病細胞株(K562細胞)に遺伝子導入し、ピューロマイシン選択により安定発現細胞株を樹立した。FCで解析したところ、15~35%の細胞だけがVISTA陽性であったため、セルソーティングによりVISTA発現細胞の純化を行った。セルソーティング後に再びFCで解析すると、ほぼ100%の細胞でVISTA陽性を確認できた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りCAR-T細胞の作製および次年度以降の解析に用いる予定の細胞株を樹立できたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
作製したCAR-T細胞から抗VISTA抗体が分泌されているかを解析する。がん・免疫細胞スフェロイドの培養系を確立する。樹立したがん・免疫細胞スフェロイドと作製したCAR-T細胞を共培養し、機能や性状の変化を解析する。
|