Project/Area Number |
23K06724
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 50020:Tumor diagnostics and therapeutics-related
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
新井 正美 順天堂大学, 大学院医学研究科, 教授 (20232027)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今岡 達彦 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学研究所 放射線影響研究部, グループリーダー (40356134)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
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Keywords | リードスルー療法 / ナンセンス変異 / BRCA1 / 遺伝性乳癌卵巣癌 / HBOC / BRCA1 / 化学予防 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、遺伝性乳癌卵巣癌(HBOC)病的バリアント保持者におけるリードスルー療法とエストラジオールの生成を抑制する複合効果を検証するために、培養細胞や動物モデルを用いた基礎的な研究を行う。 1)BRCA1にナンセンス変異を有する腫瘍細胞への腫瘍抑制効果を検討する。 2)ヘテロでナンセンス変異を有する細胞におけるリードスルー薬剤とエストラジオールの複合効果を検討する。医療被爆を想定した放射線照射の前後にリードスルー薬剤を投与することでDNA損傷が軽減できるかを検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
これまで申請者のグループは、APC遺伝子の生殖細胞系列にナンセンス変異を有する家族性大腸腺腫症のモデルマウスにおいて、ナンセンス変異により生じる未成熟終止コドンのリードスルー(読み過ごし)を誘導し、完全長の遺伝子産物を発現させるリードスルー薬剤により腫瘍抑制効果が見られることを報告した。 本研究では、BRCA1あるいはBRCA2遺伝子の生殖細胞系列にナンセンス変異を有する遺伝性乳癌卵巣癌患者を想定して、リードスルー療法とエストラジオールの生成を抑制する複合効果を検証するために、培養細胞や動物モデルを用いた基礎的研究を行うこととした。 初年度は、研究分担者を追加する手続きを行うとともに、実験に使用するリードスルー薬剤(アジスロマイシンおよび化合物アタルレン)を購入したほか、バイオセーフティーレベル2の機関内承認を取得し、実験環境を整備した。また、使用する細胞株(乳癌細胞HCC1395[p.R1751Xホモ接合]、Bリンパ芽球細胞HCC1395 BL[p.R1751Xヘテロ接合]、ゲノム編集実験用の正常乳腺上皮細胞MCF-10A)をAmerican Type Culture Collectionより購入し、それぞれ数回の継代を行って増殖することを確認するとともに、細胞数を増やして、今後の実験用に凍結保存を行った。HCC1395細胞については、HCC1395BL及びMCF-10Aと比較して増殖が遅い傾向があることを確認した。卵巣癌細胞SNU251(p.W1815X)については、取扱業者がないことが判明したため、海外機関からの直接購入に必要な事務的準備を行った。また、細胞培養の基本的な手技を習得し、細胞遺伝学の基本的な知識を研究グループ内で共有した。さらに、HCC1395及びSNU251細胞をマウスに移植する実験の文献を収集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究分担者の追加と機関内承認の取得に時間を要したことに加え、細胞の取扱業者が見つからないといった要因が重なったためやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
以下の実験を中心に行う予定である。 1)培養下の乳癌HCC1395[p.R1751X]、卵巣癌SNU251[p.W1815X]細胞にリードスルー薬剤、エストラジオールまたはその代謝物を添加し、増殖性に及ぼす効果を評価する。 2)上記の検討結果を参考に、免疫不全マウスの皮下に乳癌HCC1395[p.R1751X]、卵巣癌SNU251[p.W1815X]を移植して、飲水にリードスルー薬剤を加えた群の腫瘍のサイズ、転移の状況を評価する。さらに、各群においてアロマターゼ阻害薬の追加の有無により腫瘍に対する影響を評価する。 3)最終年度に行う実験に用いるため、以下の細胞を作製する。①ヒト正常乳腺細胞にMCF-10Aにゲノム編集技術を用いてBRCA1, p.L63Xを導入した細胞株を作製する。 ②上記の実験結果の如何に応じて、乳癌あるいは卵巣癌の手術前のBRCA1/2の病的バリアント保持者に協力を依頼して、同意を取得後、腫瘍の初代培養を行い、1)の結果を検証する。
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