Project/Area Number |
23K06749
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 50020:Tumor diagnostics and therapeutics-related
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
伊藤 寛晃 昭和大学, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (70443447)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | がん / ラマン分光法 / 血清 / 血液 / 超早期がん診断 / 消化器 / 迅速診断 / 生体内リアルタイム診断 |
Outline of Research at the Start |
わが国の死因の第1位である悪性新生物の治療成績の向上には早期発見が重要である。申請者は、ラマン分光法を応用した血液による迅速かつ高精度のがんスクリーニング技術を開発し、213名の血清を解析して早期がんを含めた胃がんまたは大腸がんの存在を感度85.7%、特異度86.7%で予測できた。また、この技術を応用し、内視鏡的治療で切除された生組織粘膜上の食道がん、胃がんの範囲を後の病理組織診断と同等の精度で特定することに成功した。 本研究ではこれまでの成果を発展させ、①血液による迅速、高精度の食道・胃・大腸がんスクリーニング法と、②消化管内視鏡による食道・胃・大腸がんのリアルタイム診断技術を開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
患者実臨床検体である血液(血清)を用いたラマン分光法による網羅的解析により、発症前の段階での迅速、高精度のがんスクリーニング法の開発、超早期がん診断技術の確立に取り組んでいる。従来行ってきたラマンスペクトル記録方法を大幅に改良し、極めて高精度のラマンスペクトルを取得することに成功した(技術の詳細は、職務発明として特許出願済み)。 励起光源として自家蛍光の影響を受けづらい近赤外線レーザーを採用しているが、近世外線レーザーによるラマンスペクトルは散乱光強度が微弱であり検出が困難であるという欠点がある。この欠点を独自設計による高感度検出系を開発することで克服した。また、独自に開発した特殊素材によるマイクロデバイスを用いることで10μlというごく微量の血清からわずか20秒間で高解像度で安定したラマンスペクトルを再現性良く取得することに成功した。バックグラウンドノイズの低減、ベースラインの抑制等の工夫と相まって、非常にS/N比の高いラマンスペクトルが得られるようになった。 蓄積したラマンスペクトルデータを人工知能を活用した機械学習で解析し、がん診断・予測アルゴリズムの開発を進めている。より高度な解析を行うため、アイルランド国立大学コーク校(Insight Centre for Data Analytics, University College Cork)との共同研究を準備中である。 上記の通り、従来よりもよりS/N比の高い高精度のラマンスペクトルデータをベースに、人工知能を活用した高度な解析技術を駆使することで、低侵襲、迅速、簡便、低コストの超早期がん診断技術を確立できる可能性が高まっている。専門的な解析技術を有している海外アカデミア等との共同研究を行いながら、上記技術の完成を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前述の通り、血液(血清)を用いた迅速、高精度のがんスクリーニング法の開発においては、計画以上に進んでいると評価できる。実験用サンプルではなく患者実臨床検体を実際に分析し、高精度のラマンスペクトルが取得出来ており、人工知能を活用した機械学習による分析で最も重要となる解析データの質が担保されている。良質なデータをさらにふやし、解析方法についても専門機関との共同研究を通してブラッシュアップしていくことで、超早期がん診断技術の開発の可能性が高まっていると期待される。 その一方で、生体組織の迅速評価によるリアルタイム診断技術の開発は、計画からやや遅れていると評価される。ラマン分光法を応用した消化管内視鏡によるリアルタイム診断技術の開発が目標であるが、上記血液(血清)と比較して、安定したラマンスペクトルを取得することが困難な状況である。原因として、血液(血清)と比較して生体組織は状態のバリエーションが大きく、安定したラマンスペクトル取得のための最適な条件が画一的に設定しづらいこと、ラマンスペクトルの散乱光強度自体が極めて低いことなどが挙げられる。今後、専用の検出機器やデバイス、ソフトウェアなどを開発したり、従来からある別用途のものを活用したりする等の工夫により、精度の高いラマンスペクトルを安定して取得するための技術を高めていく必要があると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
血液(血清)を試料とした発症前の段階での迅速、高精度のがんスクリーニング法の開発、超早期がん診断技術の確立を目標として、よりS/N比の高い良質なラマンスペクトルデータをさらに多く収集すること、収集した良質なラマンスペクトルデータを解析するための最適な方法を開発することに取り組んでいる。現在までにラマンスペクトル取得技術は格段に進歩しており、非常に精度の高いラマンスペクトルを取得できるようになったが、汎用性の高いラマン分光法を医療分野のみならず幅広い分野で応用できるよう、さらなる技術向上を図る。またラマンスペクトルの解析方法については、人工知能活用の先進的な専門能力を有する機関との共同研究を推進し技術を向上させ、本課題の完成に邁進する。 現在計画からやや遅れている生体組織の迅速評価によるリアルタイム診断技術の開発については、バリエーションの大きい生体組織に対する安定したラマンスペクトル取得のための最適な条件の探索、専用検出機器やデバイス、ソフトウェアなどの開発、従来からある別用途のものの活用等の工夫を行い、精度の高いラマンスペクトルを安定して取得するための技術を開発するための努力を続ける。
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