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免疫ペプチドーム修飾による免疫チェックポイント阻害剤の適応範囲拡大

Research Project

Project/Area Number 23K06751
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Allocation TypeMulti-year Fund
Section一般
Review Section Basic Section 50020:Tumor diagnostics and therapeutics-related
Research InstitutionJikei University School of Medicine

Principal Investigator

伊藤 正紀  東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (80297366)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 清谷 一馬  国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 難病・免疫ゲノム研究センター, 副センター長 (30433642)
芝 清隆  公益財団法人がん研究会, がん研究所, 特任研究員 (40196415)
小井戸 薫雄  東京慈恵会医科大学, 医学部, 非常勤講師 (70266617)
岩本 武夫  東京慈恵会医科大学, 医学部, 非常勤講師 (90568891)
Project Period (FY) 2023-04-01 – 2026-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
KeywordsWT1 / ONX-0914 / 免疫プロテアソーム / プロテアソーム / ACC-MESO-4 / 中皮腫 / 免疫原性 / LMP7 / 免疫ペプチドーム / 免疫チェックポイント阻害剤
Outline of Research at the Start

免疫チェックポイント阻害剤(ICI)は細胞傷害性T細胞(CTL)の疲弊を解放し劇的な抗腫瘍効果を発揮するが、その適応範囲が一部のがん種で限定されている。CTLによるがん細胞の殺傷はがん細胞上の主要組織適合抗原(MHC)発現量と、MHC分子に抗原提示される短鎖ペプチド(エピトープ)の種類と量(免疫ペプチドーム)により主に影響を受ける。我々は抗原蛋白質をエピトープにまで分解する蛋白質分解酵素複合体(プロテアソーム)の機能を選択的に阻害し免疫ペプチドームを制御する。本研究ではICIと免疫ペプチドームを変化させるプロテアソーム選択的阻害剤の併用が、ICIの治療適応範囲を拡大できるかどうか検証する。

Outline of Annual Research Achievements

目的:プロテアソームサブユニット選択的阻害剤を用いて免疫ペプチドームを修飾し、より多くのがん種に対して免疫チェックポイント阻害剤(ICI)が抗腫瘍効果を発揮出来る事を実証し、一部のがんに限定されているICIの治療適応範囲が拡大できる事を明らかにする。方法と結果:細胞の免疫原性は、抗原の発現、抗原プロセシング装置(APM)、MHC class I発現により主に規定される。モデル抗原Wilms Tumor 1 (WT1)が強く発現しており、かつ、class I発現が非常に高い悪性胸膜中皮腫細胞(ACC-MESO-4)とHLA-A*24拘束性WT1エピトープを特異的に認識するTCRをもつレポーター細胞(共同研究者、大阪大学、森本創世子博士から供与)を用いて、がん細胞の免疫原性を評価するアッセイ系を構築した。このアッセイ系を用いて低濃度(5nM-180nM)の20S免疫プロテアソームサブユニットLMP7の選択的阻害剤(ONX-0914)処理により、MESO-4のWT1特異的免疫原性を評価したところ、ONX-0914濃度依存性にWT1の免疫原性の増強が認められた。WT1エピトープを含むペプチドと免疫プロテソームを混合し、In vitroでペプチドがどのように分解切断されるか質量解析により調べた。その結果、WT1エピトープ内でペプチドの切断が起こっている事、さらに、ONX-0914処理により、WT1エピトープ内切断が抑制される事がわかった。これらの結果から、ONX-0914はWT1エピトープのinternal destructive cleavageを阻害し、その結果、MHC class Iに提示されるWT1エピトープ量が増加し、MESO-4のWT1特異的免疫原性が増強された事が示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

細胞の免疫原性は、抗原の発現、抗原プロセシング装置(APM)、MHC class I発現により主に規定される。モデル抗原Wilms Tumor 1 (WT1)が強く発現しており、かつ、class I発現が非常に高い悪性胸膜中皮腫細胞(ACC-MESO-4)とHLA-A*24拘束性WT1エピトープを特異的に認識するTCRをもつレポーター細胞を用いて、APMを修飾する20S免疫プロテアソームLMP7サブユニット選択的阻害剤(ONX-0914)が、がん細胞のWT1特異的免疫原性を濃度依存性に増強できる事を明らかにした。また、HLA-A*24導入ACC-MESO-1、HMMME中皮腫細胞でも同様の結果が得られた。ONX-0914の免疫増強メカニズムを調べるために、WT1エピトープを含むペプチド(19アミノ酸)と、免疫プロテアソームを反応させ、ペプチドがどのような切断分解を受けるかを質量解析法で解析した。その結果、免疫プロテアソームがWT1エピトープ内切断internal destructive cleavage(IDS)を引き起こす事が明らかになった。さらに、この反応にONX-0914を添加すると、IDSが抑制される事がわかった。従って、ONX-0914による免疫プロテアソームLMP7サブユニットの阻害は、WT1エピトープのIDSを抑制し、その結果、WT1エピトープの細胞表面MHC class I上への抗原提示量が増加し、WT1選択的免疫増強効果が現れる事が示唆された。これらの結果から、プロテアソームサブユニット選択的阻害剤を用いて、APMを制御し、細胞の免疫原性を修飾出来ることが明らかにする事ができ、研究は順調に進捗している。

Strategy for Future Research Activity

MESO-4中皮腫細胞において、ONX-0914のWT1特異的免疫原性増強効果が確認されたので、ヒト末梢血単核球からWT1特異的T細胞を単離し、WT1特異的T細胞レセプター(TCR)配列を特定、WT1 TCR 導入T細胞(WT1-TCR T細胞)を樹立する。WT1-TCR T細胞とMESO-4細胞を共培養し、ONX-0914処理によりMESO-4細胞に対するWT1-TCR T細胞の細胞傷害性が増強されるか調べ、免疫プロテアソーム選択的阻害剤による免疫原性の修飾が抗腫瘍効果を増強できる事を検証する。LMP7ノックアウトMESO-4細胞を樹立し、ONX-0914によるWT1特異的免疫原性増強効果がLMP7に依存する事を検証する。ONX-0914処理したMESO-4細胞、LPM7ノックアウト細胞における免疫ペプチドームの修飾を質量解析法で調べる。(質量解析担当共同研究者が退職したため、新たに質量解析の専門家との共同研究を進める計画である)。ONX-0914以外のLMP7選択的プロテアソーム阻害剤(M-3528など)においても、同様の免疫原性増強効果があるか検証する。
マウス中皮腫細胞(AB-12)を導入し、マウス中皮腫モデルを構築し、1)無処置、2)抗PD-1抗体投与、3)ONX-0914投与、4)抗PD-1抗体+ONX-0914投与群で、抗腫瘍効果の検証を行う。

Report

(1 results)
  • 2023 Research-status Report

URL: 

Published: 2023-04-13   Modified: 2024-12-25  

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