Project/Area Number |
23K06766
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 50020:Tumor diagnostics and therapeutics-related
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
松尾 彩香 長崎大学, 病院(医学系), 助手 (80913342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 孝之 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (00274655)
日宇 健 長崎大学, 病院(医学系), 講師 (00404260)
吉田 道春 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 客員研究員 (00795437)
川上 茂 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 教授 (20322307)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 悪性神経膠腫 / siRNA / 集束超音波 / 脂質ナノ粒子 / 脳指向薬物送達法 / 核酸医薬 |
Outline of Research at the Start |
あらゆる治療に抵抗性をもつ悪性神経膠腫に対する治療として、従来の医薬品では治療が困難な疾患を根治する創薬技術として注目されている核酸医薬や低分子抗がん剤に着目する。 本研究では、抗体修飾を施した脂質ナノ粒子に核酸医薬や低分子抗がん剤を封入し、薬剤送達時の安定性を確保する。次に、効率的な送達のために血液脳関門をMicro Bubble製剤と集束超音波装置で開口する。最後に核酸医薬や低分子抗がん剤が封入された抗体修飾脂質ナノ粒子を静脈内に投与し、組織内動態の解析、抗腫瘍効果の検証を行う。この成果より脳指向薬物送達法の確立、及び悪性神経膠腫治療への核酸医薬や低分子抗がん剤の導入の可能性を探る。
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Outline of Annual Research Achievements |
悪性神経膠腫は、破壊性かつ浸潤性の増殖能を特徴とし外科的切除にも関わらず、腫瘍細胞は周囲正常脳内に残存する。放射線化学療法も行うが、生存期間中央値は14.6カ月と予後は極めて悪い。放射線治療には正常脳への影響から限界があり、新規薬剤の導入が緊急の課題となっている。 近年、核酸医薬のがん治療への応用が期待されているが、安定性・送達の課題があり、脳腫瘍では実用化されていない。そこで、抗体修飾を行ったLNPを微粒子キャリアとして使用し、siRNAを脂質ナノ粒子(lipid nanoparticle:LNP)内に内封することで核酸医薬の安定性を獲得させ、Micro Bubble製剤と集束超音波装置で血液脳関門を開口し、核酸医薬を安全に脳腫瘍に送達することで、悪性神経膠腫への新規薬剤導入の可能性を探求する。 当該年度においては、悪性神経膠腫に高頻度に発現し、腫瘍増殖、血管新生、腫瘍浸潤に関与するインテグリンαVβ3を標的受容体とした抗インテグリンαVβ3抗体修飾siRNA-LNPを作成した。物理化学的性質(平均粒子径、ゼータ電位)、品質を評価。高品質なナノ粒子製剤を調製することができた。また、細胞結合特性においては高い結合性を示し、ノックダウン効果は高い効果を示した。 製剤作成の他にも、脳定位脳固定装置を使用し、ヒト悪性神経膠腫細胞株U87-MG細胞を移植し、脳腫瘍モデルを作成。IVISを用い、移植後の脳腫瘍の評価も経時的に行った。 今後は同LNPにsiRNA-VEGFを内封した場合の細胞結合性、in vitro・in vivoでの抗腫瘍効果を評価する。その後、集束超音波とMicro bubble製剤をすることで、更に悪性脳腫瘍細胞指向性を付与することで悪性神経膠腫に対する画期的な治療法の確立を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①悪性神経膠腫モデルマウスの確立に関しては現在、U-87-MG細胞を移植した動物モデルの作成が可能なことを確認した。 ②FUSの照射条件の確立に関してはMBを静脈内投与後にFUSの照射を行い、その後にEvans Blueを静脈内投与をすることでBBBの開口を評価することで、超音波照射条件を現在検討している。 ③siRNAの作成・siRNAの安全投与量に関してはsiRNA-Luc2を内封したLNPの物理化学的特性や品質評価では高品質なナノ粒子製剤が調製できた。抗インテグリンαVβ3抗体修飾siRNA-LNPにおいても抗体修飾をしていないsiRNA封入脂質ナノ粒子とほぼ同等の物理化学的性質及び品質特性を示すことができ、また細胞結合性・ノックダウン効果においても良好な結果を示すことが出来た。 ④正常脳組織への影響に関しては今後評価を行っていく。 ⑤治療効果・薬物動態の評価に関しても今後評価を行っていく。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は引き続き、同LNPにsiRNA-VEGFを内封した場合の細胞結合性、in vitro・in vivoにおいての抗腫瘍効果を評価していく。さらには、FUSとMicro Bubbleを併用した場合の効果、正常脳への影響、薬物動態の評価等IVIS、組織透明化技術と共焦点レーザー顕微鏡、HE染色等を使用してを行っていく。 そして、ヒト悪性神経膠腫細胞株U87-MG細胞を移植したモデルマウスの作成以外にもマウス神経膠腫細胞株GL261細胞/マウス神経膠腫細胞株CT2A細胞を移植した悪性神経膠腫モデルマウス等の作成も引き続き行う。 また、同じインテグリンαVβ受容体に作用する環状RGDペプチドの効果も評価する。抗腫瘍効果が確認できなかった場合はEGFRやRTKi、TGFβを標的としたsiRNA内封LNP、miR-145内封LNP、低分子抗がん剤封入LNPを用いた追加実験や脳内への直接投与の追加実験も行っていく。
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