Project/Area Number |
23K06790
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 51020:Cognitive and brain science-related
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
石田 真帆 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (80362086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真仁田 聡 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (80584135)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 頭部固定 / カルシウムイメージング / 知覚意思決定 |
Outline of Research at the Start |
知覚意思決定では、知覚(入力)情報が脳内で蓄積され、閾値に到達すると決定(出力)するという特徴的な情報蓄積システムの存在が示唆されている。本研究は、頭部固定したラットに聴覚意思決定課題を訓練し、カルシウムイメージングにより神経活動を全脳スケールで可視化する実験系を構築する。この実験系を用いて、情報蓄積システムと聴覚野、運動野との連携を時間的・空間的に解析し、そのネットワークを明らかにしたいと考えている。
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Outline of Annual Research Achievements |
知覚意思決定では、感覚刺激の入力情報を受けて、選択としての行動を出力する。脳内では、入力された感覚情報が、数百ミリ秒という短い時間で収集・蓄積され、ある行動選択肢を肯定する情報が十分蓄積することで出力に向かう。この情報蓄積システムでは、頭頂葉における神経細胞の発火頻度が情報蓄積の過程で上昇する。本研究の知覚意思決定課題では、頭部固定下、前肢を左右のペダルに載せたラットに対して、左右のスピーカーから約1秒間クリック音を出力し、クリック音の総数が多かった側のペダルを上げさせる。本研究の目的は、カルシウムイメージングにより、この知覚意思決定過程における、聴覚野、頭頂葉、運動野に渡る脳神経活動の時間・空間的な位置づけを可視化することである。 ラットにはまず頭部固定用フレームを頭蓋骨に設置する一次手術を行い、知覚意思決定課題の訓練を行うが、課題の習得には数カ月を要するため、今年度は訓練に並行して、カルシウムイメージングのための条件検討を行った。具体的には、できるだけ脳の広い範囲を観察できるようにフレームの形状を改良した。本研究ではフレームのサイズを長方形の従来型(内枠サイズAP方向17mm×ML方向42mm)から、より広い範囲を観察できるように、フレーム中央に楕円形の枠(AP方向内枠(長径)30mm×ML方向内枠(短径)18mm)を配置したhead plate_02を作製した。これにより、最大AP-9~AP5、ML8(14mm×16mm)の範囲を観察可能となると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
知覚意思決定課題の訓練は、頭蓋骨に設置したフレームによる頭部固定下で行った。訓練と並行して、全脳イメージングのため、脳のより広い範囲を観察できるように、頭部固定用フレームサイズの変更を行い、head plate_02を作製した。 神経細胞特異的にカルシウムセンサー蛋白GCaMP6fを発現するトランスジェニックラット(LE-Tg(Thy1-GCaMP6f)7 系統)を用いて、head plate_02を頭蓋骨に設置する一次手術を施した。知覚意思決定課題訓練は行わず、頭部固定に慣れた段階で、まず頭蓋骨を介したGCaMP6fのシグナル検出を試みた。ラットの頭蓋骨はマウスよりも厚く、頭蓋骨を介してのイメージングは困難であった。そのため、二次手術として、血管が透けて見える程度に頭蓋骨を可能な限り薄く削る、あるいは頭蓋骨と硬膜を除去することを試みた。いずれもまず5mm四方程度に観察窓を作製した。観察窓には生理食塩水を満たしてサランラップを張り、その上から観察した。頭部固定下、生体脳で観察されたシグナルについて、特異的な神経活動の特定には至っていない。また、おそらく体の動きに伴う脳の移動によると思われる強い非特異的シグナルが認められた。また、観察部位には10日ほどで残った骨の再生と思われる白濁が生じていた。
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Strategy for Future Research Activity |
フレーム設置手術後、頭部固定下での訓練には数カ月を要するが、その間に感染による頭蓋骨の変性(軟化)が進行してしまい、イメージングの障害となる。この対応策としては、抗生物質を投与する、生理食塩水でこまめに洗うことの他に、頭蓋骨へのフレーム設置手術前に(頭部非固定下で)訓練を行い、訓練終了後にフレームの設置手術をし、感染が進行する前にイメージングを迅速に行うことを考えている。 頭部固定下イメージング時の非特異的シグナルについての対応策としては、自家蛍光の検出により、カルシウム濃度変化特異的シグナルを特定することを検討している。
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