Project/Area Number |
23K06800
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 51020:Cognitive and brain science-related
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
池田 純起 富山大学, 学術研究部工学系, 准教授 (30754353)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2023: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
|
Keywords | 安静時脳活動 / 動的モード分解 / 個人特性 / 個人差 / 推定 |
Outline of Research at the Start |
ヒト脳研究の目標の一つは、脳活動から人間の個人特性(知能や性格などの個人差)を精度よく推定するための方法を確立することである。本研究の目的は、短時間動的モード分解と呼ばれる手法を用いて、より精度良く、脳活動から人間の個人特性を推定するための方法を開発することである。そして、脳活動上に個人特性が表象される機序の解明を進める。
|
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト脳研究の目標の一つは、脳活動から人間の個人特性(知能や性格などの個人差)を精度よく推定するための方法を確立することである。本研究は、多次元時系列データから、時間的構造と空間的構造の両方を考慮して特徴抽出を行う、動的モード分解と呼ばれる手法に着目する。これまでの先行研究により、脳科学における動的モード分解の有効性は証明されつつあるが、一方で、動的モード分解で取り出される時空間特徴量は、時間的に定常であり、時間非定常な脳活動特徴量を求めることはできない。本研究の目的は、動的モード分解を時間非定常な特徴抽出法へと拡張した、短時間動的モード分解を用いて、より精度良く、脳活動から人間の個人特性を推定するための方法を開発することである。そして、脳活動上に個人特性が表象される機序の解明を進める。
初年度(2023年度)の研究内容:まず、短時間動的モード分解による個人特性推定法の開発、および、その有効性を検証した。具体的には、数千人規模の個人特性と安静時脳活動からなる公開データ(Human Connectome Project)を用いて、個人特性の推定を行えるかどうか検証した。その結果、従来の単なる動的モード分解を用いる場合よりも、短時間動的モード分解の方が優れた推定精度を示すことが分かった。本研究成果を国内学会で発表した。
意義・重要性等:短時間動的モード分解は、時間非定常、かつ、時間方向の特徴を考慮した空間特徴量を取り出せる手法であり、従来手法の動的モード分解と異なる点は、その時間非定常性にある。本研究の成果によって、脳活動の時間非定常な性質と人間の個人特性との関係が示唆された。さらに、本手法によって取り出される時空間特徴量を見ることで、個人特性と関係のある脳活動の時間的・空間的構造を明らかにできる可能性がある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度(2023年度)の計画では、短時間動的モード分解を用いた安静時脳活動からの個人特性推定法を確立することが目的であった。さらに、良い結果が得られた場合は、国内外の学会にて成果発表をする予定であった。研究実績の概要ですでに述べたとおり、国外での成果発表を除き、上記の計画のすべてを完遂することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度以降の計画は以下のとおりである: 1.短時間動的モード分解を用いた本手法が、従来手法と比較して、精度良く、個人特性を推定できるかどうか検証する。研究実績の概要で述べた通り、すでに、従来手法である動的モード分解を用いる方法と本手法の比較を行い、本手法が優れた推定精度を示すことが分かっている。しかしながら、個人特性の推定を行うための従来手法は他にも存在し、それらの中で古くから用いられてきた手法である、機能的結合との比較はまだ行っていない。次年度以降では、他の手法と本手法との推定精度の比較を行う予定である。
2.短時間動的モード分解の有効性をさらに検証するため、異なるデータセットを用いた解析も行う。具体的には、UK Biobankを用いる予定である。UK Biobankのデータは数万人規模となるため、次年度以降に、高性能計算機と大容量外部記憶装置を購入する予定である。初年度と同様に、良い結果が得られた場合は、国内外の学会にて発表し、かつ、最終的に国際誌にて成果を発表する。
|