Project/Area Number |
23K06814
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 51030:Pathophysiologic neuroscience-related
|
Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
山下 直也 神奈川工科大学, 応用バイオ科学部, 准教授 (40508793)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
|
Keywords | 軸索輸送 / NGF / セマフォリン / アルツハイマー病 |
Outline of Research at the Start |
神経細胞は、細胞体・樹状突起・軸索という区画を有する特殊な形をした細胞である。本研究では、神経細胞内の物流システムに着目し、このシステムが神経細胞の特殊な形を維持するための役割や、物流システムの障害が神経変性疾患の原因となることを明らかにし、その医療応用を目指した研究を実施する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
長い突起である神経軸索の発達や機能は、軸索機能タンパク質群の局在により制御されている。しかしながら、軸索から遠く離れた細胞体(タンパク質合成の本体)が、どのようにして軸索が必要とする分子を認識し、その効率的な供給を制御するかは不明である。申請者は、神経細胞内の物流を司る軸索輸送が、逆行性・順行性軸索輸送の特異性を双方向性に制御することで、細胞体と軸索が連携する未知の情報処理機構の存在に着目した。そして、この機構の破綻がアルツハイマー病発症と関係する可能性を見出した。そこで本申請課題では、逆行性・順行性軸索輸送が連携した神経細胞内情報伝達の作動と破綻の機構を解明し、そのアルツハイマー病治療への応用を目指した基盤研究を実施することを目的とする。 昨年度は、まず逆行性・順行性軸索輸送が連携した神経細胞内情報伝達の未知の作動機構の解明を目指し、マウス個体を用いたオミックス解析系の構築を試みた。アデノ随伴ウィルスを用いたレポータータンパク質の発現系の構築を目指したところ、当初は目的タンパクの発現が弱く構築が難航した。しかし、プロモーター等の改良により、当初よりも10倍以上の発現が期待できるシステムの構築に成功した。 軸索輸送による情報伝達系の破綻とアルツハイマー病発症との関連については、ヒト検体における解析を進め、解析結果の検証を進めている。また、新たに発見したアルツハイマー病発症との関連が示唆されるタンパク質間相互作用をターゲットとした薬剤スクリーニング系の構築に成功し、化合物スクリーニングを行う準備が整いつつある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
オミックス解析やヒト検体解析については予定より遅れている点もあるが、その代わりに、難航すると予想された薬剤スクリーニング系の確立ができ、総合的には順調に進んでいると判断できるため。
|
Strategy for Future Research Activity |
まず、逆行性・順行性軸索輸送が連携した神経細胞内情報伝達の未知の作動機構の解明を目指したオミックス解析については、マウス個体における発現条件の最適化が完了次第、オミックス解析を行う予定である。 軸索輸送による情報伝達系の破綻とアルツハイマー病発症との関連については、ヒト検体でのELISA測定を行っているが、測定シグナルの精度を検討するための検証実験系を構築することが出来たので、この系を用い、剖検脳、血液、必要に応じて髄液のヒトサンプルを用いた検証を進める。また、新規タンパク質間相互作用に着目したスクリーニングについては、化合物ライブラリを用いたスクリーニングを実施する。
|