Project/Area Number |
23K06821
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 51030:Pathophysiologic neuroscience-related
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Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
宮本 幸 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 薬剤治療研究部, 研究員 (50425708)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | オリゴデンドロサイト / 大脳白質不全症 / 疾患モデルマウス / claudin11 / 髄鞘 / 大脳白質形成不全症 / 共培養系 |
Outline of Research at the Start |
中枢神経系のグリア細胞であるオリゴデンドロサイトは、神経細胞と互いに影響を及ぼし合いながら髄鞘というダイナミックな構造を構築している。そのため、オリゴデンドロサイトが変性を起こすと、神経組織全体に影響を及ぼす。本研究では、遺伝性髄鞘変性症である大脳白質変性症の創薬研究を進めるため、病態共培養系の構築し、それを用いて髄鞘変性を抑制する化合物スクリーニングを行う。さらに各々の病態モデルマウスを作製し、培養系で得られた結果の検証を行う。本研究により、遺伝性髄鞘変性症に対するターゲット分子が明らかとなるのみならず、髄鞘破綻が関与する他の病態発症機構の全容解明に一石を投じることが期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
ペリツェウス・メルツバッヘル病 (PMD)は、オリゴデンドロサイトに病因を有する遺伝性の髄鞘変性症である。原因遺伝子は、proteolipid protein (plp)1であるが、近年の遺伝子解析技術の進歩により、plp1以外の原因遺伝子が複数同定され、現在では総称として大脳白質形成不全症(Hypomyelinating LeukoDystrophy (HLD))と呼ばれている。本年度は、HLD22の疾患モデルマウスの作製を中心に研究を進めた。HLD22の原因遺伝子であるclaudin11は中枢髄鞘蛋白質の一つで、MBP、PLP1に次いで3番目に多い割合を占めている。HLD22の患者では、このclaudin11のストップコドンに変異が入り、3'末端に39アミノ酸が付加されている。以前申請者は、他のHLDモデルマウス作製の際に、髄鞘特異的プロモーターを有するトランスジーン・カセットを独自に開発した。本研究においてもこのカセットを利用することとした。まず初めに、claudin11を単離後、変異体を作製し、シークエンス確認した上で、MBPプロモーター下流に挿入した。その後、完成したclaudin11変異体コンストラクトをBL6Jマウス受精卵にインジェクションした。産仔のtailを用いてゲノムPCRを行った結果、3ラインの陽性クローンを獲得することに成功した。次に、これら陽性マウスのサザンブロティング解析を行ったところ、それぞれ3、2、2コピーのclaudin11を検出することができた。インジェクションに用いたclaudin11変異体コンストラクトには、C末端にHisタグを付加しているため、今後のこれらの変異体Tgマウスの脳切片を抗His抗体で染色し、大脳皮質や脳梁における発現の有無を確認していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
in vitroの共培養系構築と並行して、本年度は比較的時間を要するモデルマウスの作製を優先して進めた。その結果、claudin11変異体Tgマウスの獲得に成功した。今後、このマウスにおいてclaudin11が発現しているか否かを脳切片を用いた免疫染色により確認し、その後髄鞘蛋白質マーカーの発現や髄鞘構造の観察など詳細な解析を進めると共に、in vitroの培養系構築に精力を注ぎ、HLDを含めた髄鞘変性症の病態発症解明を行っていく。
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Strategy for Future Research Activity |
病態を模倣するin vitro共培養系構築にあたって、グリア細胞に網羅的に原因遺伝子を発現させ、その表現型を確認していく。何らかの表現型を確認できたものに関し、神経細胞との共培養系に進め、阻害剤などの効果を検証する。並行して、HLD22また他のHLDの病態発症機構解明のため、グリア系譜培養株細胞を用いて、原因遺伝子変異体の細胞生物学的解析を進める。さらに、HLD22に続く病態モデルマウスとして何が適切かを検討し、インジェクション用コンストラクト作成に着手する。
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