Project/Area Number |
23K06837
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 51030:Pathophysiologic neuroscience-related
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
田中 良法 岡山理科大学, 獣医学部, 助教 (00747933)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 細胞外小胞 / TDP-43 / progranulin / マクロオートファジー / CDK4/6 / PIKfyve / abemaciclib / vacuolin-1 / 分泌型オートファジー / オートリソソーム / ホスホイノシタイド / プログラニュリン |
Outline of Research at the Start |
(マクロ)オートファジーは細胞質成分を取り囲んだオートファゴソームがリソソームと融合することでオートリソソームを形成し、TDP-43凝集体などの不要な細胞内成分を分解する機構である。申請者らは、オートリソソーム形成の破綻が、筋萎縮性側索硬化症及び前頭側頭葉変性症の病因タンパク質TDP-43の蓄積や分泌に関与していることを見出した。本研究ではそれらの発展研究として「オートリソソーム形成促進薬物がTDP-43蓄積を抑制する機構」、及び「オートリソソーム形成の破綻によってTDP-43分泌が促進する機構」を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)及び前頭側頭葉変性症(FTLD-TDP)では核タンパク質TDP-43の核局在が減少し、細胞質に凝集・蓄積するTDP-43蓄積病理が特徴的である。TDP-43蓄積病理はプリオン病の異常プリオンのように初発部位から脳内を拡散していくことが知られている。近年、異常プリオン様の性質をもつ病的なTDP-43が細胞外小胞(EV)に認められることから、EVを介した病的なTDP-43の細胞間拡散が示唆されている。 (マクロ)オートファジーは不要な細胞内成分を取り囲んだオートファゴソームがリソソームと融合し、オートリソソームを形成することで内容物を分解する機構である。我々はFTLD-TDPの原因遺伝子プログラニュリン(PGRN)がオートリソソーム形成を仲介することを明らかにした背景から、オートリソソーム形成の破綻がEVを介したTDP-43分泌に与える影響に着目した。 オートリソソーム形成を阻害する薬剤Bafilomycin A1(Baf)やPGRN欠損細胞では、TDP-43を内包するオートファゴソームが細胞内に蓄積した。同時に、細胞外小胞画分においては、オートファゴソームマーカーLC3-II、多胞体マーカーTSG101、TDP-43の分泌が認められた。Baf誘導性のEVを介したTDP-43分泌はオートファジー欠損細胞で抑制されたことから、オートファジー依存的なメカニズムによってTDP-43を内包するEVが放出されることが明らかとなった。本研究成果をまとめて論文発表した。 一方で、オートリソソーム様の空胞形成を誘導するAbemaciclib(Abe)のオートファジーにおける作用を評価した。AbeはPI(3)Pの産生を介してオートファゴソーム形成とオートリソソーム形成を促進し、易凝集性のTDP-43の蓄積を抑制することが明らかとなった。本研究成果をまとめて論文発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
オートリソソームの破綻によってTDP-43を内包するオートファゴソームが細胞内に蓄積されるだけでなく、細胞外に放出されることを明らかにし、新たなTDP-43拡散メカニズムを示唆することができたため。AbemaciclibがPI(3)Pの産生を介してオートファジーフラックスを促進することで病的なTDP-43の蓄積を抑制することを示唆することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞外小胞画分の網羅的なタンパク質解析から、順行輸送や膜融合を仲介するタンパク質を検出した。これらのタンパク質発現をゲノム編集法などで抑制した細胞を用意し、オートリソソーム形成阻害時のEV放出機構の解明に挑戦する。また、アデノ随伴ウイルスで易凝集型のTDP-43やオートファジーフラックスプローブを発現させたマウスを用意し、Abeの経口投与がオートファジーや脳内の易凝集型TDP-43の蓄積に与える影響を調べる。
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