Project/Area Number |
23K06871
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52010:General internal medicine-related
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
涌井 広道 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (10587330)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 暁朗 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20405020)
宮崎 智之 横浜市立大学, 研究・産学連携推進センター, 教授 (30580724)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 高血圧 / 中枢神経 / 受容体 / レニンアンジオテンシン / レニン-アンジオテンシン系 / 慢性腎臓病 |
Outline of Research at the Start |
ATRAPは、組織RA系の過剰活性化を機能選択的に抑制する独自性の高い分子である。本研究では、「中枢神経におけるATRAPの発現調節異常が、脳腎連関による高血圧・腎障害のvicious cycle形成に関与し、ATRAPの発現制御により高血圧・慢性腎臓病を改善できる」との仮説を検証するため、高血圧・腎障害モデル動物、培養神経細胞、脳特異的ATRAP発現変動動物などを用いて、高血圧・腎障害の脳腎連関における中枢神経でのATRAPの病態生理学的意義を明らかにする。そして、ATRAPに着目した新規治療の開発に向けた基礎的な知見を得ることを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、「中枢神経におけるATRAPの発現調節異常が、脳腎連関による高血圧・腎障害のvicious cycle形成に関与し、ATRAPの発現制御により高血圧・慢性腎臓病を改善できる」との仮説を検証するため、高血圧・腎障害モデル動物、培養神経細胞、脳特異的ATRAP発現変動動物などを用いて、高血圧・腎障害の脳腎連関における中枢神経でのATRAPの病態生理学的意義を明らかにする。そして、ATRAPに着目した新規治療の開発に向けた基礎的な知見を得ることを目指す。 本年度の主な実績として、SDラットに全身性Ang II慢性投与(500ng/kg/min)を行い室傍核(PVN)におけるAT1RとATRAPの遺伝子発現の変化を検討した。ATRAPを発現誘導するレンチウイルスベクター(LV-ATRAP)を作製し、脳PVNにマイクロインジェクションして、PVN特異的ATRAP高発現ラットを作製した。PVN特異的ATRAP高発現ラットおよび対照ラットに、Ang II投与を行い、昇圧反応および尿中カテコラミンを比較検討した。その結果、Ang II投与によりPVNにおけるATRAP/AT1R比は低下した。PVN特異的ATRAP高発現ラットでは、対照ラットに比べて、AngII全身投与による昇圧反応及び尿中アドレナリンの上昇が抑制された。さらに、PVN特異的ATRAP高発現ラットではAng II全身投与によるPVNでのATRAP/AT1R比の低下が抑制され、組織RAS過剰活性化の抑制が示唆された。以上より、脳PVNにおいてATRAPを発現誘導することで、組織ATRAP/AT1Rバランスの改善、交感神経活性化の抑制と共にAng IIによる昇圧が抑制されることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
室傍核におけるATRAPの発現調節異常が、ATRAP/AT1Rのバランスの悪化をもたらし、レニン‐アンジオテンシン系過剰活性化と共に交感神経の過剰発火を惹起し、高血圧を引き起こすことを明らかにした。さらに、レンチウイルスベクターを脳局所的に注射し特定の蛋白発現を増加させる方法を用いて、室傍核におけるATRAPの発現増加はアンジオテンシン依存性高血圧を抑制することを明らかにした。これらの結果により、中枢神経ATRAPは高血圧の特異的な治療ターゲットとなる可能性が示された。
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Strategy for Future Research Activity |
ATRAP高発現レンチウイルスベクターの作製に成功し、中枢神経の局所特異的にATRAP発現誘導をかける手法を確立した。現在、アデニン腎症CKDモデルや5/6腎摘CKDモデルを用いて、中枢神経でのATRAPを含めたレニンアンジオテンシン系構成要素の発現調節を調べるとともに、RNAシークエンスなどの網羅的解析も交えて検討している。その後、中枢神経特異的にATRAPを含めた鍵因子の発現変動を誘導して、高血圧・腎障害に与える影響を検討する予定である。
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